予想外の「嫁ブロック」に遭う人は多数。仕事への思い、ビジョンの共有を

 「妻に心配をかけたくないから、試しに転職活動をしてみて内定を得られたら報告しよう」
 「転職を考えていることをまだ妻に相談していないが、きっと理解してくれるはず」

 ――こうした考えが失敗につながるケースは多数あります。転職先が決まってから話をしたところ、大反対を受けて泣く泣く転職を断念する人も少なくありません。

 一方、転職を考え始めた段階から妻と話し合い、「一緒に検討する」というスタンスで転職活動を進めた人はうまく運んでいます。

 妻は、夫の仕事についての状況、思い、将来ビジョンを理解しないまま反対していることが多いものです。それらを率直に話せば、受け入れ、協力してくれる可能性も大。また、「家族の将来も見据えての転職」であることを伝えられるといいでしょう。

 なお、共働きの場合、自分の転職が、妻の仕事やキャリアにどう影響するかも考えてください。「女性活用」の施策が推進されている今、妻にもチャンスが訪れているかもしれません。転職によって家事・育児の分担、居住地などに変化が生じる可能性があるなら、早めに話し合っておきましょう。

 家族に配慮するという点では、子どもの受験・進学などのタイミングもふまえ、行動を起こす時期を調整することも大切です。

「肩書き」に固執し過ぎると、面接にも転職後にも支障が

 30~40代ともなると、「転職するなら役職付きで」と考える人も多数いらっしゃいます。しかし、「役職付きで入社」にこだわったせいで、失敗する人もいます。

 採用企業側としては「一メンバーとして現場になじんでから、時機を見てマネジャーに昇格させたい」という考えを持っているケースも多数。実際、「入社時点で『部長』の肩書きを与えてほしい」と強く要望した人が、採用を見送られたケースもあります。

 選考だけでなく、転職先企業への入社後を考えた場合も、役職なしのほうが好都合なことも多いものです。転職後もうまくいっている人からは「一メンバーとして入社したおかげで、既存社員とスムーズになじめて、情報共有も早く進んだ。管理職として入社していたら、壁ができていたかもしれない」という声が聞かれます。

 彼らは「役付き」のプレッシャーを感じることなく、気持ちにゆとりを持って仕事に集中して成果を上げ、半年~1年後にマネジャーに昇進しています。