冬も本番。空気の乾燥が進むと、あっという間に肌もカサカサになります。大人は足のひざやすねに粉が吹く程度で済んでも、皮膚の薄い子どもの肌はざらざらカサカサになり、かき壊して悪化することがあります。
 ユアクリニックお茶の水院長の杉原桂医師に、冬場の子どもの肌のケア法を教えていただきました。杉原医師が一般社団法人「知ろう小児医療 守ろう子ども達の会」に寄稿した記事よりお伝えします。

子どもの肌は乾燥→かゆみ→炎症と悪化しやすい

 数年前、タレントのタモリさんの入浴法が話題になったことがあります。それは「お風呂の湯船に10分つかるだけで、体を石けんやボディーソープで洗わない」というもの。湯船に10分つかれば、体を洗わなくても80%の汚れは落ちていくという主張でしたが、こうした「皮膚を過剰に洗い過ぎない」というスキンケア法は、小児科医の間ではかなり以前から肯定されている事実です。

 子どもの皮膚は大人と比べると薄いため、保湿機能がまだまだ未熟です。空気が乾燥すると、それだけで皮膚にかゆみが起きて、あっという間にかき壊して赤くなってしまうことがあります。

 よく外来で目にするのが、「体の表面は乾燥してガサガサ。湿疹も所々にできているのに、湿潤状態が保たれているオムツの中はスベスベつるつる」という状態。乾燥シーズンになると、こうしたお子さんを連れた親御さんが、「うちの子、アトピーではないでしょうか??」と真剣に悩んで来院するケースが増えます。

 そんなときはまず、石けんやボディーソープで洗い過ぎていることの弊害を疑ってみてください。