毎日の石けんやボディーソープが子どもの肌の皮脂を奪っている?

 子どもの皮膚トラブルで来院する親御さんがいらっしゃいます。そんな方々に質問して分かるのは、子どもが入浴するときも大人とおなじように石けんやボディーソープをガーゼ状のタオルに付け、体をゴシゴシ洗っているということ。

 石けんとはそもそも何でしょう? 本来なら混じり合うことのない水と油を混ぜ合わせて、汚れを落とすために用いる界面活性剤の一種です。

 キッチンを思い出してください。肉や魚をさばいた手は脂でベタベタですよね。お湯でいくら洗っても手のヌルヌル感は取れるものではありません。でも、食器用洗剤を使えば、水と油が混ざり合って、ヌルヌル汚れがすぐに落ちます。

 でも、油汚れが付いていないパン皿や、水を飲んだだけのコップにまで台所洗剤は本当に必要でしょうか?子どもの肌も同様です。子どもの体に付いた汚れで、お湯だけで落ちないものはそれほどありませんよね?

 子どもは汗かきなので、1日の汚れをすっきり落としてあげたい親御さんの気持ちは分かりますが、乾燥している子どもの肌に毎日たっぷりの洗浄剤を使って、皮膚のバリア機能を保つのに必要な皮脂を親自身が奪っているとしたら…?