テントや寝袋で楽しみながら災害時のノウハウを学ぶ

 料理を食べ終えたパパ、ママ、こどもたち。振る舞われた焼きマシュマロとコーヒーを手に、しばしの歓談タイムです。年齢の近い子どもを持つ親同士で話したり、それぞれの部屋番号を教え合ったり。お腹を満たされた子ども達は長縄で元気に遊んでいます。そんな中、会場脇に設置されたテントにも人が集まっていました。

子どもは甘いマシュマロで、大人はほろ苦いコーヒーを手にそれぞれ交流を深める
子どもは甘いマシュマロで、大人はほろ苦いコーヒーを手にそれぞれ交流を深める

 「広い!」「寝袋の中あったかい!」初めてのテントや寝袋に目を輝かせる子ども達。パパやママも寝袋に入ってみて、思っていたより寝心地が良いのに驚いたようです。こうした寝袋やテントについても、必ず山や川に行く必要はないと永松さん。

当日設置されたスノーピークのテント
当日設置されたスノーピークのテント

 「寝袋って入ってみると楽しいんですよ。子ども達もけっこう喜びます。テントも、たとえば家の中で張って寝てみると、雰囲気が違って面白い。テントや寝袋に親しんでいると、いざと言う時に絶対役立ちます。『防災訓練』と言うと堅苦しく感じてしまいがちですが、こうして切り口を変えただけで楽しみながら災害に備えることができます」。

 「テントや寝袋は収納に手こずる人も多いんですが、たまに使って畳み方を覚えておくと安心です。子ども用の寝袋は2000~3000円くらいからありますから、買ってみるのもおすすめです。東日本大震災の時も、被災地への寄付で重宝されたのが寝袋でした。食べものでもそうですが、人ってあたたかいとほっとするんでしょうね」(永松さん)。

 永松さんによれば、アウトドア用品を買うときは、防災パックのようなパッケージで買うよりも、一つ一つ取捨選択しながら買うほうがいいそうです。「パッケージで買うと道具を選ぶワクワク感もないですし、そうするとやっぱり使わないんですよ。買って安心してしまいますから」。