生活の延長でアウトドアを楽しむ方法はたくさんある

 そろそろダッチオーブンの火加減も良い具合になってきました。重い蓋を開けると、煙とともにこんがりと焼き上がったチキンが。アツアツのチキンをハサミで切り分け、いよいよ待ちに待った昼食タイムです。

 ジューシーな鶏肉とやわらかい野菜に、どのテーブルからも「美味しい!」の歓声があがります。やけどしないように息でさましながら、笑顔で頬張る子ども達。パエリアもチキンも、皆さん、何度もおかわりしていました。

もくもくとあがる煙とともに、ジューシーなチキンが登場。肉厚の鍋は熱伝導率が高く、丸焼き料理を効率よく作ることができる
もくもくとあがる煙とともに、ジューシーなチキンが登場。肉厚の鍋は熱伝導率が高く、丸焼き料理を効率よく作ることができる

 本格的なアウトドア料理に、参加したパパも「普段はできない体験ができて楽しかった」と大満足。一方で、「アウトドアは楽しいけど、山まで行くのは大変そう」という声も挙がりました。でも、先生役を務めたスノーピークの永松悠佑さん(スノーピーク昭島アウトドアヴィレッジ店長)によれば、生活の延長でアウトドアを楽しむ方法はたくさんあるそうです。

 「アウトドア用品を買ったからといって、山に行かなければいけないということはありません。スノーピークでも、普段の生活の中で自然と触れ合う『アーバン・アウトドア』を提唱しています」。

 実は、今回のイベントの参加者が将来住むことになる「パークホームズ立川」は、すまいの中にアウトドアライフを取りこんだ、まさに「アーバン・アウトドア」のコンセプトを実現したマンション。1階住戸の専用庭に「半ソト空間」(スノーピークのアウトドア用品と日よけシェードでアウトドアが楽しめる空間)を設けているほか、マンションの共用部でも、テントやハンモックでゆっくり過ごしたり、たき火やバーベキューができます。

室内と外のスペースをゆるやかにつなぐ「半ソト空間」があるパークホームズ立川。明るい日射しが差し込む住居スペースでテントもできる
室内と外のスペースをゆるやかにつなぐ「半ソト空間」があるパークホームズ立川。明るい日射しが差し込む住居スペースでテントもできる

 「たとえば、近所の公園でお湯を沸かしてコーヒーを淹れるだけでもいいんです。家の中でアウトドア用品を使って作ったものを、外で食べるだけでも気分が違いますよね。無理して本格的なことをせずに家族で楽しむだけでも、防災のノウハウは蓄積されていきますから」。

 「手軽に始めるのであればまずはストーブと呼ぶ火をつける器具と燃料、クッカーと呼ぶアルミの容器を買うだけでも良いと思います。ストーブと燃料はクッカーの中に収納することができるので、お弁当箱ひとつ分くらいのスペースで保管できます。東日本大震災の時は、アウトドア経験のある人はストーブの燃料だけ買っていかれましたよ。日常的に使っていると、災害時にも焦らず対応できます」(永松さん)。

スノーピークの「チタンパーソナルクッカーセット」。燃料などはすべてクッカーの中に収まるため、持ち運びや収納時も場所をとらない
スノーピークの「チタンパーソナルクッカーセット」。燃料などはすべてクッカーの中に収まるため、持ち運びや収納時も場所をとらない