法人・部署・職務の枠を超え、「親」としての課題を共有
日本のUBSグループで「親コネクト」が発足したのは10年以上前に遡る。
「仲の良い社員同士やチームであっても、家族について突っ込んだ話まではなかなかしづらいものです。そこで、部署や職種、役職の垣根を越え、『子どもを育てている』という共通項を持った社員のネットワークが組織されました。育児の悩みは多くの人に共通しています。このネットワークの存在によって、社内で育児の『先輩』にいつでも相談できるという安心感につながっています」
こう語るのは、UBS証券株式会社・常務執行役員・株式本部長・マネージングディレクターの高久宗史さん。1歳・3歳の2児の父であり、親コネクトを率いるキャプテン的存在だ。
高久さんと共に親コネクトの様々なイベントを取り仕切るのが、ダイバーシティー推進を担当するエグゼクティブディレクター・堀久美子さん。ネットワークで話題に上っていることやアンケート調査などから育児中の社員が抱えている課題をつかみ、解決の機会を提供する。例えば、テーマに基づいてメンバー同士が情報交換するセッションを定期的に開催している。
「テーマとして選んでいるのは、育児や生活にすぐに役立つもの。他の人がしている方法やアイデアを取り入れることで、日々のパフォーマンス向上につながるようなものです。これまでには『タイムマネジメント』『時短料理』『子どものしつけ』などのテーマを取り上げました。『子どもの急病で早退しなければならないときなどの、上司やチームとのコミュニケーション』なんてテーマもありましたね」(堀さん)