母親など女性の就労支援にも、力を入れていきたい

羽生 こども園にしたことで、待機児童は解消されそうですか。

平松 2015年度から2017年度までの3年間で、3080人分の教育・保育の受け皿を確保する計画です。私立園のこども園への移行も促していきます。それにより、2018年度には年間を通じた待機児童の解消を目指し、質の高い教育・保育をすべての子どもに提供していける体制にします。

 定員を超えて子どもを預かっていい、という今の状況が不自然です。将来的に子どもが減ってきても普通の状況に戻るだけだと思います。とにかく今働きたい人をなんとかしなければならないと思っています。

羽生 働きたいお母さんを支援する取り組みはありますか。

平松 母親の働く先としては、大企業の本店・支店、小売店などのサービス業、あとは中小製造業、伝統産業などがあります。学生の人気就職先は地元大企業です。でも静岡市は都心まで新幹線で1時間で行けてしまうので、東京の大学に進学してそのまま就職、結婚…、という方も多く、若い女性の流出が深刻な課題です。一度は東京に出た女性のUターン支援も含め、女性の就労促進にも力を入れる必要があります。

 例えば今は、女性会館やハローワークで、就業のための講座やセミナーを開催しています。今後は、子育て中の働きたいお母さんにより情報が届くよう、子育て支援センターでママ向け就職情報を提供したり、情報交換ができるようにしたりすることも検討しています。

子育て中の働きたいお母さんにより情報が届くよう工夫していく
子育て中の働きたいお母さんにより情報が届くよう工夫していく

(文/日経DUAL編集部・砂山絵理子 写真/小野さやか)