火をおこせると災害時の心の支えにも

 本来であればこのように順序だてて火をおこしてからウインナーを作るのですが、中には急いで作ることに夢中になってしまい、直火でウインナーを炙り始める子も……。どこよりも早く完成させたのはピンクチームでしたが、ウインナーは真っ黒でした。

ちゃんとタコさんウインナーができているかチェックする永松さん。黒いウインナーに苦笑気味
ちゃんとタコさんウインナーができているかチェックする永松さん。黒いウインナーに苦笑気味

 逆に一番遅かったのが青チームでしたが、正しい方法を探りながら作ったことで永松さんからは「ウインナーも火の状態も一番良い」と太鼓判。ピンクチームも青チームを見ながら、「この道具はああやって使うのか!」「きれいなタコさんウインナーを作るにはこうしたらいいんだね」と正しい火おこしを勉強していました。

炭火ができたらさらに炭を加え、火力を安定させていく
炭火ができたらさらに炭を加え、火力を安定させていく

 永松さんによれば、今回のイベントで経験したような火おこしは、災害時にとても役立つといいます。

 「東日本大震災の被災者の多くの方が『あたたかいものを食べられた時にほっとした』とおっしゃいます。僕も山登りをするんですが、バーナーなどのあたためる器具がないと持っていったおにぎりもすごく冷たくて、ちょっと物足りない。それと感覚が似ていると思うんですよね。山も時には命の危険を伴う場所ですから。たとえ不安な状況でもあたたかいものを食べるだけで、家でご飯を食べているようなほっとした気持ちになれます。そのためにも、日ごろからパパがアウトドアに親しんでいると安心ですよね」。

 未来のご近所さんと協力して火をつけた参加者は、赤々と燃える焚火で暖をとりながらすっかり打ち解けた様子です。

取材・文/小沼理(かみゆ) 写真/中島明菜