椅子に座っていられない、給食を時間内に食べられない、立ったまま靴を履き替えられない…。小学校生活に必要な当たり前のことができない子ども達が増えてきているといいます。子どもが小学校生活をスムーズに始めるために、親はどんなことに気を付けてあげるといいのでしょうか? 

 DUALでは『入学前からはじめよう 発達が気になる子の「できる」を増やすからだ遊び』の著者である笹田哲先生のインタビューを紹介しましたが、今回はその著書の内容を一部紹介します。発達が気になる子のご両親はもちろん、入学を控えたすべての年長さんのお母さん、お父さんは特に、ぜひ読んでみてください。

 <インタビュー記事はこちら>
 ■正しく鉛筆を持てる子は2割 入学前に教えたいこと
 ■「できない」がいじめを誘発も 小学校で必要な動作

学校では、椅子に座る時間が長い。正しく座れないと学習に影響する

 小学校の授業時間は45分間です。その間、じっと椅子に座り、先生の話を聞いたり書いたりして学習します。好きなときに座って、飽きたら立つことはできなくなります。まさに、学校生活は椅子生活といえます。

 学校の椅子生活にむけて、家庭でも椅子に座ることを習慣にしておくとよいでしょう。上手に座るためには、正しい姿勢で座ろうという気持ちの面だけでなく、体を支える筋肉と、体の位置情報をキャッチする視覚、バランス感覚機能が相互に働く必要があります。

 例えば、骨盤を起こすように座ると背筋も伸びます。また、足が床にしっかりついていることも姿勢の安定につながります。しっかり座ることができてはじめて、学習が効率よく身につきます。座位姿勢は学習の土台になります。