椅子に座っていられない、給食を時間内に食べられない、立ったまま靴を履き替えられない…。小学校生活に必要な当たり前のことができない子ども達が増えてきているといいます。子どもが小学校生活をスムーズに始めるために、親はどんなことに気を付けてあげるといいのでしょうか? 

 DUALでは『入学前からはじめよう 発達が気になる子の「できる」を増やすからだ遊び』の著者である笹田哲先生のインタビューを紹介し、本の内容を一部紹介する連載を展開しています。今回のテーマは「持つ」です。発達が気になる子のご両親はもちろん、入学を控えたすべての年長さんのお母さん、お父さんは特に、ぜひ読んでみてください。

 <インタビュー記事はこちら>
 ■正しく鉛筆を持てる子は2割 入学前に教えたいこと
 ■「できない」がいじめを誘発も 小学校で必要な動作

学校では、手ぶらでの移動は少なくものを持って移動することが多い

 登下校のときは、手ぶらで歩くことは少なく、手さげ袋などを持って歩くことがほとんどです。
 雨の日は、さらに傘を持つことになります。教室ではランドセルを後ろの棚から持ち運びします。また、筆箱、教科書、ノートなどの学用品を教室内で持ち歩いたり、それらを持って別の教室へ移動することもあります。

 このとき、持つ力が弱いと、落としたり、すぐ床や机に置きたくなったりして、ものを持つことが嫌になり、学習に悪影響が出ます。

 ものを持つ力は、指先の筋肉だけでなく、体幹がしっかりしていることが前提です。また、見る、ものに触る、力を入れるなどの感覚機能を連携して働かせることも重要です。

 手元や前方をよく見て、バランスをとって歩き、指先や腕に力を入れることが必要なのです。