海の生き物に迫った『オーシャンズ』や、鳥と並走する映像で驚かせた『WATARIDORI』など、ネイチャードキュメンタリーのヒット作を連発しているフランス人監督が新たに注目したのは、地上の生物たち。『シーズンズ 2万年の地球紀行』の日本語版監修を手がけられた新宅広二さんに、この作品の見どころや、親子での楽しみ方などをお聞きしました。
日本人が見やすいドキュメンタリーに
――『シーズンズ』、小学5年生の子どもと一緒に鑑賞しました。オオカミ、シカ、馬、バイソンなど、登場する動物たちに興味津々で、最後まで食い入るように見てました。大人も、映像とナレーションから地球と動物についてさまざまな知識を得られる、とても興味深い作品でした。
ありがとうございます。実は、それには理由がありまして…。これはフランスの作品なんですけど、本国版には、ナレーションが付いてないんですよ。
――そうなんですか?
ええ。これはフランスのネイチャードキュメンタリーのトレンドでもあるんですが、「知識はいいから、とにかく感じてくれ」という姿勢で作られているんです。ただ、どこの国でもそういうやり方が通用するわけじゃない。日本でもふつう、「この動物の名前は○○」とか「今、○○をしているところです」といった説明をナレーションで入れますよね?
――そうですね。
配給のギャガさんとしては、そんな日本の風土にあったものにしたい、と。「このシーンのどこを見たらいいのか?」と考えながら見るとなかなか映像に集中できないので、ガイドするようなナレーションを付けてほしい、ということでした。