教科書、体操服、プリント類……乳幼児期と比較して、格段に持ち物の管理が増える「小学校入学」というステージ。片づけにおいても“小1の壁”を感じている読者は少なくないだろう。
象徴的なのは「ランドセル問題」だ。
「せっかく自室を与えたのに、帰宅後はランドセルも上着も玄関に置きっぱなし。自分の部屋に置きなさいって何度言っても聞かないんです……」とため息まじりの親の声。
しかし、この行動を観察すれば“片づけ”のヒントが見えてくると収育士の伊藤寛子さんはいう。
「なぜランドセルと上着を玄関に置くのか。それは、そこが最も置きやすい場所だからです。上着を脱ぐにはランドセルを外す必要がありますから、帰宅してすぐにそうしたくなる気持ちもわかりますよね。であれば、子どもの気持ちに寄り添った方法を考えてあげるのが正解です。同じ悩みを持っていた娘夫婦には、見た目も悪くないシンプルなボックスを用意して『ランドセル、上着、その他登校グッズ何でも入れ』にすることを提案しました。置き場所は、玄関~リビングまでの“子どもの動線上”。わざわざではなく、ついでに置ける位置に収納場所を確保してあげることで、子どもは無理なく片づけられるんですよ」(伊藤さん)
子どもの困った行動にこそヒントあり、というわけだ。
小学校入学を機に子どもに自室を与える家庭も多く、「自室の片づけ」も大きなテーマになる。
積水ハウス総合住宅研究所ライフスタイル研究開発グループリーダーの河崎由美子さんは、子どもの片づけ力を上げるコツとして「子どもに積極的に部屋を飾らせること」をすすめる。