人脈や力仕事、新しい文化…息子が仕事を手伝ってくれる日がやってきた!

采都子さん その後、息子が無事に高校生になってから、現職(バースデーバンク執行役員)のお話をいただき、また新たな働き方を模索することになりました。そして、高校生になった息子には、仕事でも助けてもらう場面が増えてきたんです。

 力仕事やチラシ配布はもちろん、キッズイベントのベビーやキッズのシッタ―まで大活躍してくれます。小さいころ、下の妹の面倒を見るのが好きだったからか、子どもと遊ぶのが天才的にうまいんです。

 先日、オフィスが移転するときに引っ越しの手伝いに来てくれた際は、不要になった椅子や電話、プリンターなどの引き取り手がなくて、「粗大ゴミのシールを買ってきて」と頼んだら、「そんなのメルカリで売ればいいじゃん」と。パパっとスマホで撮影した画像をあっと言う間にメルカリにアップしてくれました。

 「何軒も業者に電話したけど、見積もりにもきてくれなかったんだから」とか私が言っているうちに、問い合わせが入り、翌日には全部買い手がついて。びっくりしました。こういったCtoCのサービスは、息子や若い世代から学ぶことが多いなって実感します。とにかくネットリテラシーが高くてスピード感がすごい。いまどきですよね。かなり頼りにしてます。

 また、高校2年ころから、息子が高校生で起業を目指す学生の様々な課外活動に参加し始めて、そこで知り合う魅力的な社会人の方を紹介してもらったことがありました。

 今の事業は、お子様のバースデーパーティーにまつわるデコレーショングッズやバースデープランナーさんの育成事業といった、専業主婦やママであることに軸を置いている方のためのサービスなのですが、創業当初は、アプローチに試行錯誤の連続でした。そんなときに、完全に息子の紹介で対象ターゲットのママフェスのトップの方につないでもらったり、5万人規模の音楽フェスのキッズブースのワークブースやキッズディスコのデコレーションを任せてもらったりしたこともありました。本当に感謝しています。

 音楽フェスの運営をされているNPO法人Ubdobe代表の岡さんは、息子の高校で「介護に今までにない新しい波を作る風雲児」として講演にいらした方で、あまりのカッコ良さに息子は挨拶をしにいったそうなのですが、その声のかけ方が、「にいさん、Facebookやってる?」だったそうで(苦笑)。岡さん曰く、大抵、学校の講演会で挨拶に来る高校生は「感動しました。握手させてください」と礼儀正しいスタイルがほとんどなのに、息子のあまりに図々しく、人懐っこい雰囲気が新鮮だったようで、今やイベントの運営のお手伝いさせていただく間柄のようです。

拓巳くん 僕も、母の人脈を活用させてもらっていると思います。母の仕事の繋がりで出会う方は意識が高い方が多いので、すぐにFacebookとかで繋がって、その後も色々な人を紹介してもらったり、ベビーシッターのアルバイトとして雇ってもらったり。大学に入って、高校時代よりももっと面白いことが色々できるようになったので、この先はもっと楽しみです。

采都子さん 息子がまさか私の仕事を手伝ってくれて、さらには、役に立つ方を紹介してくれる、そんな存在に10代でなるなんて。全く予想していないことでした。小さいころはどちらかというとシャイで、挨拶もできなくてよく怒られてたよね

 私の子育ては全てが正解ではないかもしれないけれど、だからこそ色々なお母さんに知ってもらって、肩の力を抜いてもらえたらいいなぁと思います。バースデーバンクのイベントや養成講座で、若いお母さん達と子育ての話になることも多々あります。これからも、皆がもっと明るく楽しく子育てできるようなアイデアや環境をつくっていきたいですね。