定時で帰るためにという意味でいうと、今、体系化している「スキルのGDP」が大きな役割を果たしています。大きなポイントは3つです。
まずG=ゴールセッティング。上司やクライアントと仕事の目的や背景・期限を事前にしっかり握ること。仕事の効率化というと、例えば辞書登録の変換で「おつ」と入れると「お疲れさまです」と表示されるようにするとか(笑)、具体的なテクニックが取り上げられがちですが、重要なのは自分がこれから取り組む仕事自体「そもそもなぜやるのか?」「何のためにやるのか?」「その仕事は本当に上司に言われたやり方で合っているのか?」などを自分で考えること。効率的なやり方があればそれを代替え案として提案もしますし、初めに考えることで手戻りもなくなります。最初に時間がかかったとしても結果としてはより効率的になるので、そこを意識しています。
次はD=デザインですね。いわゆる仕事の「段取り力」です。例えばお客様への提案については、期限が決まっているので期限からスケジュールを逆算します。その際、社内の決裁タイミングなど変更が難しい要素をクリティカルパスとして把握しておく。マネジャーという立場でチームを見ているので、「このチームメンバーでは人数・スキルが足りない」「社内の関係部署の助けが必要である」と思えば、他のチームに声を掛けて人を入れたり、人事や広報など他部署に協力を仰いだりして、期限を守りつつクオリティーを上げられるような段取りを組みます。
ここまでくれば、あとは実行する、つまりP=パフォームに入って、日々の仕事がスケジュール通りに進んでいるかどうかを把握し、想定外のタスクはリストで管理して優先順位をつけて遂行し、場合によっては人に振る。
このGDPの手順を踏むことが大事で、初めから「実行」に着手するのではなく、ゴールもしくは「目的」と、「そこに至るところまでの段取りを考えてから着手する」ことをどんな仕事でも心がけています。
ポイントはなるべく自分では抱えないこと。自分が手を動かしていると、段取りを考える時間が取れなくなる。その仕事がたとえ自分のほうが早く効率よくできると分かっていても、なるべく部下に振っています。
GDPは、アクセンチュアが社会貢献活動の一環として行う「働き方変革プロジェクト(Work Smarter!)」の中で体系化を行っているスキルで、今年5月から働く女性・働こうとしている女性向けに講座を開講予定です。