2009年、社員番号は128番とまだ社員数が少ない時期にグリーに入社しました。当時の社員の平均年齢は28歳。「絶対に成功させる!」というベンチャー企業的な気持ちが社員の中に強くあり、夜遅くまで働くことが当たり前のようになっていましたが、今や1500人の社員を抱え、ゲーム事業、コマース・ライフスタイル事業、コミュニティ・メディア事業、広告事業、投資事業を展開する会社になり、当初からのメンバーも親世代。
私自身、3歳半の息子と11月に生まれたばかりの娘を育てる立場になりました。特に二人目の出産前、体調の関係で妻が早めに休職し、管理入院期間が1カ月もあったため、業務的にも17時には完全に帰るという、生まれて初めての経験もしました。そうした劇的な生活の変化も、初期メンバーが親世代になったことで会社の理解が得やすかったと感じています。
ただ現在、ゲーム事業を手がけるチームのプロデューサーとして全体を見る立場にあるため、周囲に不安を与えないためにも、毎日の朝会など色々な場で全員に向けて「こういう事情で今日のこの時間はいません」など、素直に伝えています。
肝心なのは、周知すること。だからチーム全員が見られるクラウドのスケジュールには「何があっても子どもを迎えに行く」というタスクを毎日欠かさず入れています。その他に用事があるときも「妻の代わりにお迎えに行くのでこの時間はいません」など、理由を明示しています。それでも「すみません、ここに予定を入れようと思ってるんですけど、“何があっても”って書いてあるので、ずらしたほうがよろしいでしょうか?」と聞かれることはあります。その時には「そうですね、“何があっても迎えに行く”のでずらしてください!」と伝えています(笑)。
とにかくチーム全体、会社に対し、日ごろから何かと家族ネタを話します。人間は同じ立場にならないと同じ苦労を理解しがたいと思うので、伝え続けることは大事だと思うし、僕自身は強い意志を持って「絶対に迎えに行くんだ!」という空気を作り出すことから意識して行動していますね。