子育てをしながら仕事も充実している両立パパたちは、時間の使い方、社内外の交渉、家庭生活において、どんな工夫をしているのでしょうか? 日経DUAL、パパの働き方特集3回目は、いよいよ「凄い夫、四天王」の登場の第2弾です。初回は「夫婦で家事も育児も仕事も完全にフェア」だというグーグル株式会社の里村明洋さんに、生活全般をスムーズに送るノウハウ、スキルを伝授してもらいました。

 今回ご登場いただくグリー株式会社の菅 隆一さんは、2015年11月に生まれたばかりの男の子と3歳半の男の子を子育て中。仕事でも家庭でも情報共有を徹底し、週1回、「家族戦略会議」を開き議事録も残しているといいます。温和で静かな物腰からはちょっと想像がつかないくらい、ロジカルに家庭内のタスクをクリアしている菅さんのノウハウを伺います。

【パパの両立テク&凄い夫、四天王登場!】
第1回 パパの両立の実態は? リアルな声にママ激震!?
第2回 完全フェアネス夫婦! 仕事も育児も遊びも諦めない
第3回 週1回家族戦略会議! 仕事スキルが家庭を高効率に ←今回はココ
第4回 アクセンチュアのパパは超主体的!
第5回 有名ブロガー・パパは脱ワーカホリックで子ども優先

何があってもお迎えに行きます!⇒強い意志を持ってメッセージ発信&スケジュール共有

 2009年、社員番号は128番とまだ社員数が少ない時期にグリーに入社しました。当時の社員の平均年齢は28歳。「絶対に成功させる!」というベンチャー企業的な気持ちが社員の中に強くあり、夜遅くまで働くことが当たり前のようになっていましたが、今や1500人の社員を抱え、ゲーム事業、コマース・ライフスタイル事業、コミュニティ・メディア事業、広告事業、投資事業を展開する会社になり、当初からのメンバーも親世代。

 私自身、3歳半の息子と11月に生まれたばかりの娘を育てる立場になりました。特に二人目の出産前、体調の関係で妻が早めに休職し、管理入院期間が1カ月もあったため、業務的にも17時には完全に帰るという、生まれて初めての経験もしました。そうした劇的な生活の変化も、初期メンバーが親世代になったことで会社の理解が得やすかったと感じています。

 ただ現在、ゲーム事業を手がけるチームのプロデューサーとして全体を見る立場にあるため、周囲に不安を与えないためにも、毎日の朝会など色々な場で全員に向けて「こういう事情で今日のこの時間はいません」など、素直に伝えています

 肝心なのは、周知すること。だからチーム全員が見られるクラウドのスケジュールには「何があっても子どもを迎えに行く」というタスクを毎日欠かさず入れています。その他に用事があるときも「妻の代わりにお迎えに行くのでこの時間はいません」など、理由を明示しています。それでも「すみません、ここに予定を入れようと思ってるんですけど、“何があっても”って書いてあるので、ずらしたほうがよろしいでしょうか?」と聞かれることはあります。その時には「そうですね、“何があっても迎えに行く”のでずらしてください!」と伝えています(笑)。

 とにかくチーム全体、会社に対し、日ごろから何かと家族ネタを話します。人間は同じ立場にならないと同じ苦労を理解しがたいと思うので、伝え続けることは大事だと思うし、僕自身は強い意志を持って「絶対に迎えに行くんだ!」という空気を作り出すことから意識して行動していますね。