日々忙しいDUAL世帯ですが、考えておかなければいけないのが介護費用の問題。介護費用は、人によってまちまちなのですが、場合によっては数千万円にも及ぶこともあります。そうなると、老後資金の計画を根本から揺るがしかねません。日本経済新聞社編集委員で、立正大学経済学部非常勤講師でもある田村正之さんの「金持ちDUAL、貧乏DUAL」、今回は介護保険について考えてみました。

 まずグラフAを見てください。公的介護保険では、生活全般にわたる全面的介護が必要な人を「要介護5」、一番軽い人を「要支援1」と認定します。合計の認定者数は2015年4月で約608万人と、15年間で2.8倍に急増しています。

 こうした状況は介護保険の財政を圧迫し、ついに利用者の負担増が始まりました。介護保険の導入時から一貫して1割だった利用時の自己負担が、15年8月以降、一定所得以上の人を対象に2割まで引き上げられたのです。

介護保険、65歳以上の5人に1人が2割を負担

 2割になったのは、原則的に第1号被保険者(65歳以上)のうち、年金収入なら年280万円以上の人。65歳以上の5人に1人が2割負担に当てはまります。厚生年金のほかに企業年金を受け取っている元会社員のなかには、該当する人が多いでしょう。

 「要介護5」の場合、1割負担での平均的負担額は月2万1000円。これが2倍になれば4万2000円と、かなり重くなります。介護保険には、所得などによって負担額の上限を定めた高額介護サービス費という仕組みがあり、上限額を超えた分は払い戻されます。それでも多くの場合、改正後の負担は増えることになりそうです。

 例えば、高額介護サービス費の所得区分が最も高い「一般」に該当する人の上限額は、月3万7200円。自己負担が1割で要介護5の平均の2万1000円なら、上限額の範囲内なので払い戻しはありません。15年8月から自己負担2割に該当して4万2000円となれば、上限額を超える4800円は払い戻されますが、実質的な自己負担は3万7200円と、改正前に比べ7割強も増えてしまいます。

 高額介護サービス費の負担上限額自体も、所得の高い人は8月から上がりました。それまでの「一般」が2つに分かれ、現役並み所得(夫婦世帯なら収入520万円以上)がある場合は4万4400円に上がったのです。自己負担2割の4万2000円なら上限額の範囲になり、払い戻しはなくなってしまいました。負担は改正前に比べ、まるまる2倍です。

 現在、2割負担はまだ一部にとどまっていますが、介護保険の財政状況を考えると、今のDUAL世帯が老後を迎えるときは恐らく全員が2割負担になっているでしょう。そうした状況の中で、介護費用はどれくらいかかるのでしょうか。

次ページから読める内容

  • 老後のために用意したい介護費用はどのくらい?
  • 子どもにあまり苦労をかけない介護サービスの受け方
  • 経済的負担の少ない施設を探す方法
  • お金さえあれば解決できる、介護問題

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