クラブ活動、塾、お稽古ごとで家計を圧迫しないように

 そして、データを把握することも大事です。では、「教育にかかるお金」を見てみましょう。

 「文科省データを根拠にすると、高校まで公立で学び、その後、大学に進学するというケースでかかる教育費は約919万円(私立大学文系進学)です。これは、学校教育費と塾代の両方を含んだ額となります」(前野さん)

 下記のデータをご覧ください。

 そもそも公立の学校は高校までは授業料は無料、義務教育の間は教科書代も無料です。しかし表にあるように、勉強以外に掛かる部分がくせ者です。例えばスポーツ系のクラブ活動で全国を遠征していたら「学校教育費」があっという間にかさんでしまいます。お稽古ごとや塾にかかる「学校外活動費」も、あれもこれもと始めると、まとまった額になりがちです。

画像はイメージです
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 「わが家にも小学4年生の子どもがいますが、東京で子育てをして驚いたのは、0歳児からのお稽古ごとの充実ぶりです。元プロ選手にスポーツを教えてもらえるなど、都会のお稽古ごとはグレードが高く、費用も高額なものが多いですよね。都市部在住のDUAL世代が気を付けたいのは、子どもかわいさに幼少のころからあれもこれもと習わせていると、資金が続かなくなる危険があるということ。大学進学のための塾代が月20万円、といった出費が将来訪れる可能性も高いわけですから、夫婦でよく話し合ってお稽古ごとを取捨選択すべきです」(山口さん)

 人生の3大資金と言われる「住宅、教育、老後」。現在30~40代のDUAL世代の親が現役だった時代は、結婚して家が必要になったり、子どもが生まれて教育費が掛かったりするころに自分の親が亡くなり、相続が起きることが多かったのです。つまり、一番お金が必要だった時期に遺産が入り、そのお金を住宅や教育に充てることができた人も多かったと言えます。ところが現在は平均寿命も延び、「自分の親がまだまだ元気」という人も多いでしょう。私達の多くは親の遺産をあてにせずに、自力で資金を貯めなければならないのです。

 それに加えて、自分達の老後費用の問題もあります。