現在、日本全国に70万人近くいるといわれている「ひきこもり」。ひきこもりとは、厚生労働省によれば「様々な要因の結果として社会的参加を回避し、原則的には6カ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態を指す現象概念」。その原因は実に様々で、小さいころにとりたてて手のかからなかった子が、進学や就職などを機に……という話を耳にすると、「まだまだ先のこと」とは思いながらも、漠然とした不安に襲われるDUAL世代のママやパパは少なくないかもしれません。

 イラストレーターの上大岡トメさんの場合、そんな不安が現実のものとして迫ってきたからこそ、「『子どもがひきこもりになりかけたら マンガでわかる 今からでも遅くない 親としてできること』を書くことにしたのだ」と言います。

 本著を執筆するに当たりトメさんは、認定特定非営利活動法人育て上げネットが運営する、ニート・ひきこもりの子を持つ母親の会「結(ゆい)」を取材。そこでトメさん、「結」の事業責任者・相談員の蟇田(ひきた)薫さん、同NPO理事長の工藤啓さんの3人に、日経DUAL編集長の羽生祥子が話を聞きました。

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<座談会出席者>

上大岡トメさん(以下、トメ)…イラストレーター。長女は22歳、長男は大学2年生。「2人が大学に進学して実家を出たときに子育ては卒業」と思っていたのだが、就活に消極的な長女の様子を見て不安に襲われる。

工藤啓さん(以下、工藤)…15~39歳の若者を対象に「働く」と「働き続ける」を支援する、認定特定非営利活動法人・育て上げネットの理事長。4歳、2歳、0歳の双子という4人の男児の子育てに力を注ぐパパでもある。

蟇田薫さん(以下、蟇田)…育て上げネット若年支援事業部担当部長、産業カウンセラー。同NPO法人が運営する、ニート・ひきこもりの子をもつ親の会「結」の事業責任者・相談員。

羽生祥子(以下、羽生)…日経DUAL編集長。小学3年生の長女と小学1年生の長男の子育て中。

大学卒業を前にした娘を見て、不安が膨らむ

イラストレーター・上大岡トメさん
イラストレーター・上大岡トメさん

羽生 まず、トメさんがこの本を書くことになったいきさつを教えてください。

トメ そもそものきっかけは「上の子がニートになるんじゃないか」と思ったことです。彼女が大学3年のとき、「就活をしたくないから就職したくない。だから大学院に行きたい」と、すごく消極的な話をしました。彼女は山口にあるわが家を離れ、北海道の大学に通っていたので、「もしかしてひきこもっているんじゃないだろうか」という不安さえありました。

 ひきこもりになるきっかけは様々だと聞きますから、漠然とした、でも切実な不安がありました。「つまずく石は、あちこちにあるんだな」「他人事ではないな」というのが、この本に携わることになったきっかけでした。

次ページから読める内容

  • “今”目の前にある子どもの姿を見ていない
  • 「やればできる」という価値観を押しつけていた
  • 「知らないこと」が不安を大きくする
  • 意識化するだけで違ってくる

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