全盲で司法試験に合格した日本で3人目の弁護士、大胡田誠さん。半生を綴った著書『全盲の僕が弁護士になった理由』(日経BP社)は松坂桃李主演でドラマ化され、オンデマンド放送でも人気を博しています。離婚、相続、交通事故、借金問題などのトラブルを解決する「町医者のような弁護士」(大胡田さん談)として活躍しながら、プライベートでは全盲の声楽家である妻の亜矢子さんと共に、2人の子ども達の育児に奮闘中。半同居する義母をはじめ、様々なサポートを受けながら仕事と育児を両立しています。子ども達のはしゃぐ声と笑い声の絶えない大胡田家にお邪魔し、「目が見えないからこそ、見えてきた」大胡田家の子育てについて伺いました。

保育園から徒歩10分のマンションへ引っ越して落ち着いた


亜矢子さんと長女のこころちゃん

大胡田亜矢子さん(以下、亜矢子さん) 産後うつをどうにか克服して東京に戻った後は、何とか夫婦だけの力でやっていきたいと思いました。ただ、先ほどお話しした障がい者向けのホームヘルパーさんも、時間の上限があるので、すべてお任せするのは難しかった(参考:「大胡田夫妻 産後うつ予防法『自分を盛り上げない』」)。結局、保育園に送っていくのに介護タクシーを使うことになりました。帰りは、私が歩いて迎えに行きます。

誠さん 保育園に通うだけでタクシー代がすごい金額になってしまったよね。月に5万円とか。

亜矢子さん 色々と考えた末、やはり私の実家から母に来てもらうことになり、今のような半同居というスタイルに落ち着いたんです。2012年の秋からですね。

誠さん でも、やっぱり保育園まで徒歩40分かかるのは遠過ぎるということで、2013年に2度引っ越しをしています。

亜矢子さん 区民住宅(盲導犬との同居が可能)に申し込んだのが2012年の秋。当選番号が来て、その番号がなんと1番。母は毎日のように郵便ポストをのぞいていました。すぐにでも引っ越せると思っていたのです。でも、なかなか入居の連絡が来ませんでした。そこでやむを得ず、ペットOKの高級マンションに引っ越し、その半年後に希望していた区民住宅に入居できるという通知が届きました。引っ越しは2013年の秋でした。

日経DUAL編集部 今度は保育園のすぐ近くなんですよね。

誠さん 徒歩で10分です。

亜矢子さん 車には気を付けなければならないけれど、信号もなく、ストレスなく歩いて通えます。

誠さん 2013年は引っ越しもあったし、僕も職場を変わったので、大変な年でしたね。前に在籍していた法律事務所は弁護士会が作った公設事務所で、若手の養成機関の役割も持っているところでしたが、在籍に任期があるんです。そろそろ事務所を出ていかなければならないとなったときに、お世話になって、京都で開業していた先輩弁護士が、東京で事務所を開くから来ないかと誘ってくれて。2014年になって、やっと色々と落ち着きました。

次ページから読める内容

  • 同居する実母と娘の葛藤。母の「プチ家出」も
  • 「自分を責めること」を、もうやめてもいいのかな……
  • 子どもらしい子どもに育ったのは、ばあばのサポートのおかげ
  • パパのお見送りとカギ閉めは、2歳の長男の仕事

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