電動アシスト付き自転車は子乗せニーズに最適

――疋田さんは、送迎用の自転車に「電動アシスト」付きの自転車を選択していますが、自転車好きで知られる疋田さんが電動アシスト付きを選ぶのは意外な感じがします。

 確かに、自転車好き(特にロードバイク好き)が自転車を選ぶ際、電動アシストは選択肢に入っていないという傾向がありますよね。ただ、子どもを乗せるとなると、話は変わってきます。電動アシスト付き自転車は、子乗せ自転車として非常に適しているんです。例えば、坂道などを気にせず使えること。都内を自転車で走ってみると、驚くほどアップダウンが多く、子どもを2人乗せて坂道を登るのは至難の業。しかし電動アシスト付き自転車なら、坂道も苦になりません。坂であろうが平たんな道であろうが、スムーズに進むことができます。

 それだけではありません。電動アシストが付いていない自転車と比べると、安全性も大きく違ってきます。自転車に子どもを乗せる場合、脚力に自信がある人でも、どうしてもこぎ出しがふらつきます。自転車はある程度以上のスピードが出ないと安定しませんから。しかし電動アシストであれば、こぎ出しも非常にスムーズでふらつくことがありません。安全という観点からも電動アシスト付き自転車に軍配が上がります。

――最近の電動アシスト付き自転車は、バッテリーの持ちはいかがでしょうか。

 車種にもよりますが、1回の充電で40km~60km程度走ります。以前の電動アシスト付き自転車は20km程度でしたから、2~4倍長く走れるようになりました。だから、通勤にも十分使えます。実際、わたしも子ども達を保育園に送った後は、そのまま自転車で通勤しています。今日も自転車で通勤してきましたよ。

――他にも注意すべき点があったら、教えてください。

 自転車がきちんと止まることも重要です。大人1人と子ども2人を乗せると、総重量は100kgを優に超えますから、ブレーキが掛かりにくくなります。しかし最近の自転車は、強力な制動力を持つVブレーキや、ブロックパターンのある太いタイヤを採用しているため、自転車がきちんと止まるようになっているんですよ。

アンジェリーノプティットe(ブリヂストンサイクル)のブロックタイヤ。太いタイヤを採用することで、制動力がアップしている
アンジェリーノプティットe(ブリヂストンサイクル)のブロックタイヤ。太いタイヤを採用することで、制動力がアップしている

 車種の選び方にもコツがあります。カタログを見て、「幼児2人同乗基準適合車BAAマーク」(下記を参照)を取得したものかどうか、よくチェックしてください。 ヤマハやパナソニック、ブリヂストンといった大手自転車メーカーでしたら、バッテリーを固定してあるシートポスト周辺にマークがついているはずです。それがついていれば、メーカーごとに大きな違いはないので、あとは好みで選ぶとよいでしょう。

BAAマークと幼児2人同乗基準適合者のマーク
BAAマークと幼児2人同乗基準適合者のマーク

アンジェリーノプティットe(ブリヂストンサイクル)
アンジェリーノプティットe(ブリヂストンサイクル)

PAS Kiss mini(ヤマハ発動機)
PAS Kiss mini(ヤマハ発動機)