スタイルアドバイザーのたかぎこういちさんが世の中のすべての働く男性をカッコよくする、というミッションを掲げて始まったビジネスファッション講座。初回はおしゃれの基本、TPOを外さず、アイテムごとの「おしゃれ度数」を合わせれば意外と簡単に「おしゃれパパ」になれると教わりました。
第2回の今回は、着こなしの基本の「き」であるサイズの話。後ろ姿のチェックも必要です。そして記事の後半には「どの店で買えばいいの?」というよくある疑問に一発回答! 価格とフォーマル度でたかぎさんに分析作成してもらった「パパに似合うブランド表」をDUAL読者用に作ってもらいました。
正しいサイズのスーツさえ着ていればカッコよくなれる
こんにちは、たかぎこういちです。ビジネスファッションの基本はTPO。たかぎ式度数表を使って度数を合わせればTPOは外しようがないから、「あちゃー、いい年頃のパパなのに、スーツがいまひとつ残念…」とはもう誰にも言わせません。これでまあ、言うてみれば偏差値50はクリアできました。さあ今日はSFCのSでファッション偏差値、一気に上げましょう。
ところで第2回目が始まってすぐになんですが、いきなり反省会を。何事も反省から学んで成長するんやから。「ファッション偏差値を上げる」……この心がけは、実はアカンのです。昔、自分の息子の受験でえらい苦労したのを思い出しまして。偏差値ばっかり高こうても、当の息子本人に合ってなかったらやっぱり不正解。そやから偏差値教育はやめ。ファッションは数字じゃない(あ、度数表の数字は大事やからね)。褒めて育てることにしよ。世界にひとりしかいてない自分に合うたスタイルがベストやからね。
ほんで、そんな自分探しの旅で役に立つのは何やろなー考えましたら、やっぱりSFCの「S」なんや。Sが何やったか覚えてはりまっか? 「Size and Silhouette」、サイズとシルエットのSですわ。ずばり、スーツの着こなしは、サイズで決まります。つまり、正しいサイズのスーツさえ着ていればカッコよくなれるのです。「正しい」というのは、つまり「自分に合っている」ということ。ごくごく普通の無地のグレイスーツにワイシャツ、紺の無地タイという、誰でも必ず持っているアイテムでも、正しいサイズを姿勢よく着るとこんな印象になります。
「ハケット ジャパン」のセールスマネージャー大西慎哉さん、中学1年生の娘さんと小学5年の息子さんのパパでもあります。50代ですが清々しく、余裕もあり、スーツを着こなされています。
こら無理やわ、なんてさっそく思いましたか? シャツは白、スーツも基本のグレー無地、ネクタイも紺ですが、ビシーッと決まっているのには理由があります。「サイズ」が正しく大西さんの体に合っているからです。でも逆に言うと、どんなに男前でも、どんなに高級なスーツでも、サイズが合ってなければこうは見えません。そのくらい、サイズは大事なんです。
今日は「ちょうどいいサイズの見分け方」をお教えします。試着室でチェックしてください。できればママの厳しい目で見てもらうとええんで、羽生編集長のように夫婦で同じ日に有休を取るように、「今度一緒に有給とらへん?」 とお誘いしてみるのんがええと思います。
上着は肩と袖が大事なチェックポイント
まず上着は肩で着る、と覚えといてください。
上着の肩山が落ちないのがベストです。よく見るのは、ちょっと大きめを選んでいる人。これから育つのを見込んでる中学生風になってしまっています。といって、窮屈なのもアカン。社会人生活を送るうちにうっかり育ってしまったパパもいると思いますので、まずは「肩できっちり合わせる」のを意識してください。
このとき、後ろ姿をチェックすることも大事です。ここ、ママに見てもらえると安心です。目立つ横シワや縦シワがでるのは体に合っていない証拠。合っていると自然とウエストラインも体にフィットしています。着丈は、おしりにかかるくらいで止めといてください。
肩が合っていると自然とウエスト周りもフィットしています。
では、次ページからはお待ちかねの「価格×センス」でパッと分かる、パパの好みに合うスーツブランドマトリックスをご紹介します。合わせて、おしゃれに見えるサイズ感、小物術もお届けしましょう。