仕事と報酬の関係は明瞭にすべきだ

 時短社員と通常勤務社員のあつれきを耳にするたび思うのは、「仕事と報酬の関係が不明瞭なのでは」ということです。夜間・休日のシフトを皆が嫌がるのなら、その時間帯に勤務する人の手当てを増やすのが筋でしょう。割り増し手当を十分に増やし「それならやってもいいな」と思う人が出てきて仕事が回るようになる。人材の需要と供給のバランスは、そうやって保たれるものだからです。

 母親だって、夜間・休日の割増率が高ければ、シフトに入るインセンティブが生まれるでしょう。割増賃金の原資は、全体の賃金プールをいったん白紙に戻して設計し直すのが分かりやすいと思います。

 ここまでは、経済の論理です。冷たいと思われるかもしれませんが、企業は経済主体ですし、経営者は口に出すか出さないかを問わず、だいたい、こんなふうに考えているものです。

労働者保護をしたいなら、夜間の買い物を避けよう

 ここからは、正反対のことを考えたいと思います。

 そもそも、お店を夜間・休日に開けるのはなぜでしょう。それは私達が夜間・休日に買い物をするからです。仕事帰りに、夜、買い物ができて便利と思うとき、人は消費者の立場に身を置いています。多くの人は消費者であると同時に労働者です。消費者としての利便性を求め過ぎることは、回り回って労働者としての自分の首を絞めることになるのです。

 今回のニュースへの反応で、「資生堂の製品を買わない」と言い出した人もいます。恐らく、本当にやるべきなのは、特定製品の不買ではなく、夜間に買い物をしないこと、でしょう。そのほうが、労働者保護には役立ちそうです。