勝負プレゼンなのにニットジャケットは厳しいわ

 つい今しがた「同じ度数にそろえておけば間違いなし」と言いましたが、本当は1度くらいの差なら問題ないです。8度のスーツに7度の靴でもOK。問題は、上等なスーツ(8度)なのに靴はローファー(6度)だとか、新規顧客を獲得できるかの勝負プレゼン(8度)なのにニットジャケットにチノパン(5度)を選ぶとか、そういうチグハグなときです。それを味や個性と相手に思わせられるようになるには、も少し修業を積む必要があるでしょう。

 さて、このたかぎ式度数表を手に、一度クローゼットを点検してみてください。頭のてっぺんからつま先までぜーんぶ新調する必要はないはずです。

スーツは8度なのに靴は6度しかない
シャツが5度ばっかり

 こんなケース、意外に多いです。でもこの度数を見てみれば、どの度数の服やアイテムが足りないかが一目瞭然、それを買いに行けばいいわけです。

 くれぐれも、買うのは足らない物だけです。度数表のおかげで、無駄な買い物が減ります。浮いたお金はパーッとやって……あかんあかん、貯金してや。お金も人も大事にしてくれる人に集まるんやから。家族もお金も大切にしょうね。

TPOをクリアして偏差値50

 さて、これでご夫婦ふたりで予算に合わせて仲ようショッピングに行く準備ができました。スーツはたまごと一緒で「物価の超優等生」やから、安くておしゃれな商品もたくさんあります。

 ただね、TPOをわきまえただけの服装は、偏差値でゆうと50ぐらい。「あちゃー」とはなりませんが、カッコいいとも言われない。え!?「おしゃれ度をグッと上げる」てタイトルやん……と思いました? ええことです、欲が出てきましたね。次回も続けて読んでくれはったらファション偏差値60以上は達成できまっせ。ついにリクルートスーツ脱却や。

 そのために役立つのが、「SFC」の知識です。どや、また英語やけど、そんなめんどくさそうな顔せんといて。

 次回は、SFCの「S、Size and Silhouette」、サイズとシルエットの話です。これを知っているといないとでは、かっこ良さが大違い。ハケットの大西さんのスーツ姿の印象が何故違うかがわかりますか? これは大いに「サイズとシルエット」に関係しています。最近の若いパパはおしゃれな人が多いから、余計に「サイズさえ合っていれば~!」と残念な思いをすることもしばしば。自分に合ったサイズを知れば、格段に大人の着こなしになります。どうぞお楽しみに!

たかぎ こういち

スタイルアドバイザー。服飾雑貨卸業を大阪で起業。1998年、現フォリフォリジャパングループとの合弁会社取締役就任して以来、アニヤ・ハインドマーチ、オロビアンコ、リモワ、リーボック、スウォッチなど諸外国のファッションブランドを日本に紹介し市場成長に貢献。また、「東京ガールズコレクション」「デザイナーズ&エージェント」など国内外のファッションイベントにも参画し次々に成功させてきた。時代に沿ったブランディング、マーケティングの手法には定評がある。2013年コンサルティング業を創業。著書に『オロビアンコの奇跡』(繊研新聞社)、共著に『超入門日・英・中 接客会話攻略ハンドブック ファッション販売編』(繊研新聞社)。

撮影協力/ハケット ロンドン
問い合わせ先/ヴァルカナイズ・ロンドン
電話番号/03−5464−5255
住所/東京都港区南青山5-8-5

(文/たかぎこういち 写真/鈴木愛子 編集協力/Integra Software Services)