ワーキングマザーの日常には、誰かと交渉することがいっぱいあります。妊娠したとき、育休から復帰するときは働き方について上司と「交渉」。家庭では夫に家事・育児分担を「交渉」。子どもが熱を出せば両親や義理の両親に「子どもを預かって…」と「交渉」。小早川優子さんとお伝えするこの連載では、ワーママがハッピーになる「交渉学」について、分かりやすくお伝えします。 

 今回は、育休復帰者とその上司の関係でありがちな交渉について説明しながら、職場でのW−W交渉について考えます。育休から復帰するときは、どうしても「お迎えの時間までに帰れるだろうか」「上司に理解してもらえるだろうか」と、自分目線で考えがち。でも上司の立場で考えてみると、もっとスムーズにコミュニケーションが取れるヒントが隠されているかもしれません。

「認めてもらいたい」VS「使いづらい」どう解決?

 育休復帰者とその上司の間で関係性がギクシャクしている、という話はよく聞きます。育休復帰者からは「成果を出しているのに認めてもらえない」、一方その上司からは「使いづらい……」と。原因は何であれ、このようなミスコミュニケーションも交渉学を使って解決することができるのです。

 W−W交渉の3ステップ・フレームワークを使って、ケーススタディーをしてみましょう。

【ステップ1】状況把握をしてみましょう

 1-1  育休から復職して間もない人はどんな状況でしょうか?

 1-2  その上司はどんな状況でしょうか?

【ステップ2】ステップ1の状況を踏まえて ゴール(利益)を設定してみましょう。

 2-1  育児休業復帰者が職場で得たい欲求(感情)は何でしょうか?

 2-2  上司が得たいこと、復帰者に求めている欲求(感情)は何でしょうか?

【ステップ3】ステップ1と2からお互いが幸せになる解決策を考えてみましょう。

 復帰経験者であれば、復帰後すぐの状態は分かりますよね。いつも時間がなくて、残業できなくて、ついでに子どもが熱出して早退したり欠勤したりしなくてはいけなくて、そんな状況に罪悪感があって…。ステップ1−1を整理するとこんな感じです。(次ページへ)