急に休んだら? 仕事が引き継がれなかったら? 不安でいっぱいの上司

 これらを踏まえて整理してみましょう。復帰者は、限られた時間の中でも懸命に仕事をしていることを理解してほしい、評価してほしい、と「承認欲求」を重視しています。それに対し、その上司が最初に求めるものは、復帰者が新たな問題を起こさず働くこと、上司が心配するような状態にならないこと。つまり「安全欲求」であることがわかります。

 マズローの欲求5段階説を思い出してください。

 下位から1生理的欲求、2安心・安全欲求、3愛情欲求、4承認欲求、5自己実現の欲求です。2の安心、安全欲求は4承認欲求より下位に位置します。欲求の5段階は下位欲求が満たされないと上位の欲求に到達しません。つまり、安心が担保されないとたとえ相手が素晴らしい仕事をしていても承認することができないのです。

 復帰者が突然仕事を休んだり、進捗状況が分からない状態で帰ったりすれば、上司はただでさえ不安な復帰者の扱いにさらに大きな不安を持ちます。不安がある人間は、たとえ復帰者がどんなに良い仕事をしても、心理的に評価することができないのです。

 ではどうしたらよいでしょうか。上司は具体的にどんなことが不安なのか改めて想像してみてください。

 復帰者が復帰前より仕事に対するモチベーションが下がること、辞めてしまうこと、突然休むこと、退社後に業務が引き継がれないこと、周囲との関係性、復帰者への特別扱いという不公平感による周囲からの反発、などなど。不安が多過ぎて上司一人では手に負えない状況でしょう。あなたが仕事ができる人であればあるほど、まずは上司の不安をできる限り小さくするようなコミュニケーションを心がけてください。でないと、せっかくのあなたの仕事も良い評価をされません。