トラウマの原因を探っても解決にはつながらない
さて、このケースを読んで、どこか自分にも共通する部分がありましたでしょうか? この方は、仕事でもプライベートでもつらい思いをしている現状を、自分なりに原因を探って分析していますね。ここでは、トラウマという言葉を使って、不適切な行動(上司に対する反抗)の原因を過去の生育環境(スパルタ教育)に求めています。
トラウマのような過去の影響を完全に否定するわけではありません。しかし、アドラー心理学では「原因を探ったところで問題の『解説』にはなるかもしれないが、『解決』にはつながらない」と考え、原因ではなく行動の「目的」に注目します。「人間の行動には、その人特有の意思を伴う目的がある」とする「目的論」という考え方です。
このケースの上司との関係の場合、ダメ出しばかりする上司にイラっときて反抗したくなる、自分の行動の「目的」を探るのです。もしかしたら、自分の頑張りに注目してくれない上司に対して「承認欲求をアピールする目的」で、わざとすねて反抗的な態度を選択しているのかもしれません。
また、怒りっぽくすぐにダメ出しする上司の行動の「目的」も探ってみましょう。恐らくこの上司は、異動したばかりの部署で部下にナメられてはいけないと、部下を支配し「主導権争いで優位に立つことを目的」として、怒りの感情を使い、ダメ出しをしている可能性があります。
次ページから読める内容
- 子どもに言うことを聞かせるために、怒るという感情をつくり出している
- ネガティブな感情が表に出ているとき、つい周りに原因を探してしまっている
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