自らも仕事と二児の子育てに追われながら「女性の愛する心を応援したい」というスローガンを掲げ、日本初の家事代行会社のベアーズ創業以来、社長である夫を支え、専務取締役として奔走してきた高橋ゆきさん。チャレンジの連続であった波乱万丈の半生から導き出された「愛の授業」は別名“専務塾”と呼ばれ、社員研修で必ず行われるばかりか、今では講演会や研修プログラムなど社外からの依頼が後を絶たない名物授業です。

前回ご紹介したバイオリズム・マネジメントは自分を愛するための近道でした。「人生まるごと愛する技術」の根底にあるもの、それは「ママの笑顔を増やしたい」という高橋さんの強い思い。まだまだ家事と育児に関しては「自分一人がやらされている感」を抱いているママ達が少なくないのが現状です。そんなママ達のため息を笑顔に変えるには「パパ達の意識変革が必要」と高橋さんは語ります。

最高のイクメンは「愛し上手」。妻へ「ありがとう」の言葉を伝えていますか?

高橋ゆきさん
高橋ゆきさん

 「あなたはイクメンですか? 最高のイクメンとはどんなパパのことか分かりますか? もしも、あなたが自分は子どものおむつを替えているとか、掃除を手伝っているとか、保育園への見送りを分担しているから『イクメンだ』と自負していたとしたら……」

 「残念ながら、私達女性にとって、本当に大切なポイントは、そこではないんです。最高のイクメンとはズバリ、妻のことを心から愛している夫のこと。愛することでママ達自身が持っている、愛する気持ちを『育む』ことのできる人。夫にしっかり愛されていて、その大好きな彼との子どもを一緒に育てている。この幸せ感で妻の心が満たされていれば、極端な話、パパが子どもを抱っこしなくたってママ達は笑顔でいられるんですよ」

 どうだろう。耳が痛いと感じたパパは、ぜひチェックしてみてほしい。

【高橋ゆき式「イクメン診断項目」】

Q: 最近、妻を抱きしめてあげたことがありますか?
Q: 疲れた表情をした妻にねぎらいの言葉を掛けたことがありますか?
Q: 擦れ違いで会話ができない夜。「いつもありがとう」のメモを残したことはありますか?
Q: 妻の掛け布団がずれているのに気づいて、そっとかけ直してあげたことはありますか?

 「該当する項目はいくつありましたか。もし○が一つもなかったら、危険信号。残念ながら、あなたをイクメンとは呼べません」

 「たとえ、あなたがどんなに家事や育児を手伝っているとしても、あなたの行いや気持ちはママ達には届いていません。肝心なことは伝わっているかどうか。心の中で思うだけでは駄目。恥ずかしがらずに言葉と態度で示して、初めて伝わるもの」

 DUAL世代のパパ&ママは働き盛り。残業も多く、そのため擦れ違いで会話不足という声も。擦れ違いの果てのセックスレス問題も見え隠れする。その解消法としてちまたでは勝負下着が効果的などと安易に報じられることが多いが、「今、いわゆる勝負下着が必要なのはママ達ではなくパパ達なのでは? 恐らくそんな発想など持ったことのないパパ達も多いはず。危機感を持つべきはパパ達のほう」と高橋さんから手厳しい言葉が続く。