中級者、上級者のマネジメント術とは?

 自分のバイオリズムを知ると、次第にそれを1日のタイムスケジュールの中でTPOに合わせ、自分のエネルギー配分をマネジメントできるようになるそうだ。例えば、「適度な緊張感を保ちながら集中する時間」と「意識的に緩むことを自分に許す時間」を使い分けられる、という具合に。この段階が中級者だ。

 また、「自分の持てる力」を「5段階評価の1~3」まで持っていける人が中級者だとすれば、「1~5」までマネジメントできる人が上級者だそうだ。

 「自分が弱い週(×が集中しがちな周期)というのは顔色が悪く、表情が冴えないことを自覚できる時期なので、顔の近くに明るい配色の服をコーディネートするといいですね。服選びはもちろん、疲れた表情をカバーするために、襟元に華やかなコサージュを着けたり、大ぶりのピアスやネックレスを選ぶことで相手の視線を分散させたり、と自然と工夫できるようになるはず」

 また絶好調のときほど、つい無理をしてしまいやすいので、そうならないように自分をマネジメントすることに心を向けることも大事。仕事が楽しくて仕方がない時期は「もっとできるはず、もっと頑張れるはず」とついつい自分を過信してしまいがちだが、「無理をしすぎない」ということもまた同じくらい大切なことだと高橋さんは繰り返す。

 「私自身、ベストコンディションのときほど黒い服を着ます。これは自分のエネルギーが暴走しないように抑制するためです。これは、いわゆる上級者のテクニック。日ごろ、モノトーンの服やマリンカラーのファッションが多い私ですが、ときには花柄のワンピースに柄物の扇子を持ってスナップ写真に写っていることもある。後から振り返れば、そんな日は大概、心の乱れというか、精神の乱れがあった日だったりしますよね(笑)」

 高橋さんは最後に、上級者の極め付きのテクニックとしてこう結んだ。

 「バイオリズム・マネジメントの上級者にはある共通点があります。それは未来に感謝できる人です」

 「過去や現在の自分が置かれている環境や状況に感謝する人はたくさんいます。でも、未来のなりたい自分のためにあなたは今日、何か努力をしましたか? 全身全霊で何かと本気で向き合いましたか? そんな言葉を日々、自分に問い掛けてみてほしいのです」

 「それができる人が上級者。なぜなら、未来のあなたを形作るのは、今日のあなたの『選択』だから。今のあなたの全ては過去のあなたが『選んできたこと』の連続で成り立っています。自分の未来は自分で迎えに行く。このことを忘れないでください」

(取材・文/砂塚美穂 撮影/鈴木愛子)