常識破りの黒スーツ、先のとがった靴……それでも受かった合格秘話

 それぞれの受験準備の期間を終え、いよいよ当日。両親の面接もあるのが、お受験ならではだ。基本は、母は紺のスーツに紺のバッグと靴、父はスーツ姿と言われるが、2人は慣習に従ったのだろうか?

中井さん 実は、私は黒のスーツで行ったんです。娘を信じていたからこそ、黒でもいいと思ったんです。常識的な格好であればいいですし、受験は娘を見るんだからと。「そんなんじゃ受からないわよ」ってママ友には言われましたが、わざわざスーツを買うんだったら今後も使えるものがいいですよね。紺はあまり使わないけど、黒なら冠婚葬祭でも役に立ちますから。

柚木さん そう、うちも夫が細身のスーツに先のとがった靴で、すごく目立つような格好で不安だったのですが、子どもが自信を持って臨めていた学校は受かりました。学校はちゃんと子どもの本質を見てくれてるんだと思いました。紺バッグとか意外と学校は気にしてないんですよ。

中井さん そうそう、そういう外観的なことよりも、家族の芯がきちんと通っている家は受かりやすいですよね。そのときだけ非日常でもダメ。前日の運動会も休ませなかったですよ。最終的に受けた3校はすべて受かりました。

柚木さん お受験って、結局は日常生活の延長なんですよね。そのときだけ繕ったってダメなんですよ。ちゃんと意思疎通ができてない夫婦は、面接の部屋から出た瞬間に反対方向に別れていったり、「お前がああ言うのが悪い」「いや、あなたこそ」と責め合っているのも見ました。それに比べれば、うちはちょっと派手な格好していても夫の言うことは筋が通っていましたし、夫婦で教育方針も合っていました。