孫の近くに祖父母が引っ越し。呼び寄せ引っ越しには、賃貸も選択肢に

 おじいちゃん、おばあちゃんは孫の側で幸せ、パパ、ママも子育てを手伝ってもらえるうえに、子どもにとっても良いことが多い近居。でも、いざ近居を始めたいと思っても、難しいのが物件探しだろう。実家の土地にゆとりがあったり、ちょうど2世帯への建て替えを検討している、というのなら話は早いが、なかなか思うようにはいかないものだ。そこでお薦めしたいのが、まずは賃貸で近居を始める、という方法だ。

 政府も少子高齢化対策として、今後、同居や近居を推進していくという発表があったばかりだが、UR賃貸住宅にも「近居割」という制度がある。親と子ども2世帯が同じUR団地に住んだり、半径2km以内の別のUR団地に住む場合はもちろんのこと、最近ではどちらかの世帯がUR以外の住宅に住んでいても、その一定エリアのUR賃貸住宅に住めば適用されるように拡大された。

親と子のどちらかの住宅がUR以外であっても、エリアによっては「近居割WIDE」が適用される場合もあるので、一度チェックしてみよう
親と子のどちらかの住宅がUR以外であっても、エリアによっては「近居割WIDE」が適用される場合もあるので、一度チェックしてみよう

 この近居割が適用されると、新しくUR賃貸住宅に入居する世帯の家賃を、5年間で5%割引いてくれる。5%の割引を受けられるとなると、月12万円の家賃なら5年間で約36万円分が割り引かれる計算になる。しかも、URなら礼金、仲介手数料、更新料がかからないので、なおさらお得感が高い。

 最近では、若い夫婦が親の近くに引っ越すパターンだけではなく、若い夫婦の近くへと祖父母世代が引っ越してくるパターンも増えつつある。子どもが独立して家の住み替えを考えたり、高齢になってからこそ便利で暮らしやすい場所を選びたいというニーズが高まっている。しかし、高齢者に賃貸物件を紹介することを躊躇する不動産屋もあるため、保証人不要で安心して借りられるUR賃貸住宅は、選択肢の一つとして考えておきたい。

 そして、いざ親と一緒に暮らす、近くに暮らすとなったら、今回登場した4人のように、互いの家庭の付き合い方ルールを決めておくのもいいかもしれない。孫を介して改めて近づける親と祖父母世代。物理的距離とともに心の距離もぐっと近づくきっかけになるだろう。

(文/岩辺みどり 写真/新山貴一)

 近居についてもっと詳しく知りたい方は、UR都市機構の特設サイト「近居というこれからの暮らし方」をご覧下さい。親世帯との同居・近居に関する意識・実態調査や識者のコラム、近居を選んだ家族の事例や動画など、近居についての最新情報が満載です。

 UR都市機構では、2世帯が同じUR賃貸住宅内または隣接するUR賃貸住宅間で近居を始めた場合、新しくUR賃貸住宅に入居する世帯の家賃を5年間5%割り引く「近居割」を2013年から展開しています。2015年9月には、UR賃貸住宅とUR以外の住宅との近居でも割引きになる「近居割ワイド」も始めました。詳しくは、こちらをご覧下さい。