一石二鳥! ファイル一つで穴開けまで
カオリ所長(DUALラボ所長。1児の母)「さあ! 今日はプレゼンテーションの日ね。どんな発見があるのかしら」
ユミエさん(ベテラン研究員。2児の母)「発表はエリちゃんとケンジくんだったわね。準備はどう?」
エリちゃん(いつも元気な研究員)「は、はい。大丈夫デス。たぶん……」
ケンジくん(ちょっと人見知りな若手研究員)「……。(緊張し過ぎて逃げ出してしまいたい)」
カオリ所長「はあ……。もう少しリラックスしなさい。リラックス!」
ユミエさん「自信がないから不安なんじゃないかしら? 発表の資料に目を通してみたら落ち着くかもしれないわよ」
エリちゃん「……そうですね。よしッ!」(パチン)
マコトさん(カオリ所長の夫でフリーライター)「ん? エリちゃん、何してるんだ?」
エリちゃん「コレですか? さっきもらったプレゼンテーションのタイムスケジュール表をファイリングしようと思いまして」
ユミエさん「でも、そのファイルにまとめるには、スケジュール表に穴を開けないといけないんじゃない? パンチがなくて大丈夫?」
エリちゃん「ふっふっふ。実はこれ、開いたファイルの左端が厚さ6mmの薄型パンチになってるんですよ。ほら」
マコトさん「なるほど。これ一つあれば外出先でも会議中でもその場でファイリングができて、時短につながるってわけか」
カオリ所長「でも、紙に穴を開けた後のゴミはどうするの? まさかそのまま床に……」
エリちゃん「大丈夫です! この薄さでもちゃんと裏側に簡易な紙くずストッパーが付いているから、ゴミが散らばらないんです」
ユミエさん「まあ、すごい! これなら整理するのを後回しにして必要な時に見つからないなんてこともなくなりそうね」
係員「時短ラボの杉田エリさん、お願いします」
エリちゃん「あ、はいっ!」
――パチパチパチパチ
エリちゃん「ふー。緊張したよー」
ユミエさん「声も大きくてとってもよかったわよ!」
カオリ所長「初めてにしてはよかったと思うわ。でも、まだまだ改善の余地ありね! この後のケンジくんの発表を見て色々学びなさい」
ケンジくん「……(胃が痛くなってきた)」
ユミエさん「(ケンジくん、さっきから一言もしゃべってなかったけど、大丈夫かしら……)」