メモ帳になるマウスパッドでデッドスペースを節約
係員「時短ラボの播磨ケンジさん、お願いします」
ケンジくん「……はい」
カオリ所長「ケンジくん? 顔色悪そうだけどできそう?」
ケンジくん「だ、大丈夫です。ちょっと緊張しているだけなので……。頑張ります……」
―――パチパチパチパチ
ケンジくん「はあ。緊張したー!」
マコトさん「すごいなケンジくん。あんなにカチコチだったのに、緊張してるようには見えなかったぞ」
ユミエさん「パワーポイントを使って説明する姿がさまになっていて格好良かったわ」
エリちゃん「そういえば、プレゼン中に何かメモしているように見えたけど、何してたの?」
ケンジくん「ああ。これ?」
エリちゃん「わあ。オレンジ色がかわいいー! 」
カオリ所長「でも、これ普通のマウスパッドじゃない? これに字は書けないんじゃ……」
ケンジくん「実はですね。このマウスパッドの表紙をめくると……」
マコトさん「ん? 方眼用紙になってるぞ!」
ケンジくん「そうなんです。30枚つづりの紙がマウスパッドになっているので、メモ帳としても使えるんです。マコトさんが調べ物をしているときに、メモ帳を探したり、そのメモ帳のせいでスペースがなさそうにしたりしているのを見て思い付いたんですよ」
ユミエさん「なるほど。ものを探す時間を削れると時短になるわね」
エリちゃん「でも、それだと普通のノートと変わらないんじゃない?」
ケンジくん「いえ。もし、ノートをマウスパッドにしたとすると、マウスを持つ手との摩擦で角がめくれてきたりすると思うんですが、これは、左側面と下面がのり付けされているので邪魔にならないんです」
ユミエさん「下がくっついているからめくれ上がらないのね」
マコトさん「マウスパッドとしてはどうなんだ? 使いにくくないか?」
ケンジくん「裏面に滑り止め加工が施されているから滑らないんですよ」
エリちゃん「裏面がザラザラしてる。これが滑らない秘密なんだね」
ケンジくん「一番のポイントはサイズです。縦 19cm × 横 23cm × 厚さ 0.3cmで大き過ぎず小さ過ぎず、デスクで使うのにちょうどいいんです」
マコトさん「ほんとだ! こいつはすごいな」
ユミエさん「会議室の狭い机の上にも苦もなく置けるのね」
カオリ所長「ケンジくん、エリちゃん。今日はご苦労さま。2人ともよく頑張ってたわ。もちろん、まだまだ改善の余地はあるけど、今日のところはここまでにして、みんなでご飯にでも行きましょうか」
エリちゃん「やったー! お仕事した後のご飯は格別だよねー」
ケンジくん「そうだね。ホッとしたらおなかがすいてきたよ」
カオリ所長「まったくもう。始まる前はあんなに緊張してたくせに。明日はちゃんと反省会があるんですからね!」
ケンジくん「……(うっ、また胃が痛くなってきた)」