戸外の空気に触れられるキャットケージが大人気

「猫のために」という徹底ぶりは、キャットウォークだけではない。猫は外を眺めるのが好きなので、高さの異なる小窓をいくつも設けた。

さらに外に出ても安全に過ごせるよう、庭に通じる掃き出し窓にウッドデッキを設け、全体をケージで囲う「キャットケージ」が猫達に大人気だ。「朝、窓を開けるとみんな集まってきて外に出ます。家の前を歩く人達がその光景を見て、『あ、猫だ』と写真を撮ることも」と話す石井さんの表情も、自然と笑顔に。

天気のいい日はキャットケージに多くの猫が集まる。「ケージを外壁に固定するのは、日曜大工では難しいので助かりました」(石井さん)
天気のいい日はキャットケージに多くの猫が集まる。「ケージを外壁に固定するのは、日曜大工では難しいので助かりました」(石井さん)

「犬はもちろんですが、猫も外に出てにおいや音などの情報をキャッチしています。猫は犬と違って散歩はしなくていいのですが、キャットケージのように戸外の空気を感じられる場所を設けるのはオススメです」と、同研究所でペット共生の研究をしている沢辺泰代さんは話す。

石井さんと話す積水ハウス総合住宅研究所の河崎由美子課長(右)と沢辺泰代さん
石井さんと話す積水ハウス総合住宅研究所の河崎由美子課長(右)と沢辺泰代さん

ペットの体重に応じて最適なスペースやアイテムを提案

 同社ではペットと暮らす住まいを設計する際に、まずカラダのサイズを確認するという。「最初の打ち合わせでは、体重を確認して大きさをイメージします。そのうえでサイズをL・M・Sの3種類から設定し、最適なスペースやアイテムを提案するのです。例えば居室のドアに犬・猫用のくぐり戸を付ける場合は、ペットのサイズに合わせてS・Mの2種類から選択します」(沢辺さん)

 また、猫と犬、それぞれの習性に応じた家のプランも重要だ。例えば犬は常に飼い主のそばにいることで安心感を得られるので、家族が集まるリビングの一角に居場所を確保してあげることが基本となる。

「リビングの収納の下に、犬が食事をする場所やトイレなどを確保するケースがよくあります。その際も、ペットのサイズに合わせてぴったり収まるタイプの収納を選びます。トイレやベッドが床にはみ出ていると、人が通りにくくなったり、子どもがひっかかって転んだりする場合もありますから」(沢辺さん)

くぐり戸があれば、扉を開け閉めしなくてもペットが出入りできる。2つ折れのフラップは脚やシッポが挟まらないための工夫だ
くぐり戸があれば、扉を開け閉めしなくてもペットが出入りできる。2つ折れのフラップは脚やシッポが挟まらないための工夫だ

愛用しているトイレのサイズに合わせて収納を設計
愛用しているトイレのサイズに合わせて収納を設計