小学校に入る前の子どもにとって習い事は、家庭や保育園とはまた違った学び・遊びの場です。そして、子どもが小学生になると、習い事には「放課後の過ごし方」の一つという新たな役割が加わります。特に3、4年生になると、学童も卒業の時期となり、中学受験に向けて学習塾に通い始めるお友達も増え、今やっている習い事をいつまで続けるかなど、習い事の見直しの時期となります。

 そこで注目したいのが、中学受験のための学習塾通いとは別の選択肢となる習い事です。特集第4回では、小学生の子ども達が放課後を有意義に過ごすことができ、さらにそこで得た力がこれからの人生に何かプラスになるような、教室やスクールを紹介します。

【将来をつくる習い事 何をいつから始める? 特集】
第1回 習い事どうしてる? 読者431人の声、大公開
第2回 習い事で才能のタネをまき、芽を育てる
第3回 東大生の2人に1人は「ピアノ」を習っていた!
第4回 受験勉強だけじゃない! 新しい放課後の過ごし方 ←今回はココ
第5回 英語、本当に幼少期から習い始めるべき?

ユニークな制作スタイルが子どもの粘り強さを生む、造形教室

 代々木公園に隣接した静かな住宅街にある「代々木公園アートスタジオ」(東京・渋谷区)。地域に根差した小さな街の美術教室ながら、いわゆる「お絵描き教室」や「能力開発教室」と一線を画す指導方針と制作スタイルで、いつも定員いっぱいの人気教室です。

 子ども向けのクラスは、3歳児を対象に「作る」楽しさをパパ・ママと一緒に体験する「親子のはじめて造形教室」、そして、4歳(年中)~小学生を対象にした「こども造形教室」の2つ。なかでも、小学生向けの「こども造形教室」は美術を通して子ども達の社会活動の土台を築くことを目指し、独自の3つの指導方針を掲げています。

1.「作る」楽しさを発見し、自発的な制作意欲を持てるようにすること。
2.作るためには常に周囲の人々の協力があるという自覚を持てるようにすること。
3.最後まで諦めずに作り上げる粘り強い気持ちを持てるようにすること。

 さらにユニークなのが、「作るものを子ども達が自分自身で決め、完成するまで好きなだけ時間をかけられる」制作スタイル。なんと1つの作品を3年かけて、作り続けている子もいるのだそう。指導方針や制作スタイルの狙いについて、スタジオ代表の鈴木完さんと、「こども造形教室」担当の鈴木聖子さんに話を聞きました。

住宅街でひときわ目を引くスタジオの外観。壁画制作もスタジオのイベントの一つ
住宅街でひときわ目を引くスタジオの外観。壁画制作もスタジオのイベントの一つ

【次ページからの内容】
・一つの作品を3年かけて。時間で区切らない
・もの作りで問題解決能力を育てる、レゴスクール
・今話題のプログラミングをロボット作りで