Wi-Fi経由で遠隔操作も可能 掃除履歴は地図で確認できる

 Wi-Fi機能を内蔵し、無料のスマートフォン(Android/iOS対応)アプリで遠隔操作ができるというのも、ダイソン 360 Eyeがルンバ980と共通する特徴だ。「毎週月曜日の午後2時から掃除をスタートする」といったスケジュール設定も、アプリから行える。逆にアプリからではないとこういった設定ができない、という点もルンバ980と共通している。

 ルンバ980と大きく異なるのが「掃除履歴の確認機能」だろう。

 ルンバの場合、「何時何分から何分間、どれだけの広さを掃除した」「ルンバ独自の『ダートディテクト』機能で汚れの多い場所を検知した回数」といった情報しか履歴に表示されない。一方ダイソンは、「何時何分から何分間、どれだけの広さを掃除した」という情報に加えて、ダイソン 360 Eyeが検知した部屋の形、その中で掃除した場所、掃除できなかった場所をマップで表示する機能を備えている。

ダイソン 360 Eyeで掃除した部屋の履歴を表示したところ。この部屋の中でどの部分を掃除できたか、できなかったかが一目で分かる
ダイソン 360 Eyeで掃除した部屋の履歴を表示したところ。この部屋の中でどの部分を掃除できたか、できなかったかが一目で分かる

 カメラで部屋の形や大きさを認識するといっても、「どれだけちゃんとできてるの?」という疑問が生じてしまうことは否めない。しかしこうやってマップで確認できるのであれば、そういった疑念や不安を持たずに済む。もちろんマップ上を走破したから部屋が完全にきれいになっているとは言い切れないが、少なくともちゃんと部屋を動き回って掃除を試みてくれたかどうかが一目で分かるのは、ユーザーとして歓迎したい機能の一つといえる。

掃除してほしくない場所を設定できる機能はなし

 ダイソン 360 Eyeの最も残念な点として挙げられるのが、ルンバシリーズの「バーチャルウォール」のような機能が備わっていないことだ。

 バーチャルウォールとは直訳すると「仮想壁」となるように、仮想的な“壁”を赤外線によって設定する機能。要するに「この先は進入禁止」とルンバに教えることができる。ルンバ980には、通常のバーチャルウォールモードに加えて、設置した場所の周囲(半径約60cm)を進入禁止にする「ヘイローモード」も備えている。ペットを飼っている家の場合、ペットのえさ・水やり場をそのままにしておけるのはうれしい。

ルンバ980に付属する「バーチャルウォール」を「ヘイローモード」で設置すると、写真のようにペットのえさ・水やり場をそのままにして掃除できる
ルンバ980に付属する「バーチャルウォール」を「ヘイローモード」で設置すると、写真のようにペットのえさ・水やり場をそのままにして掃除できる

ダイソン 360 Eyeの場合、ペット用のえさや水が置いてあっても当然お構いなしに掃除する
ダイソン 360 Eyeの場合、ペット用のえさや水が置いてあっても当然お構いなしに掃除する

 こういった機能を備えていないダイソンの場合、進入禁止にしたいときには「部屋のドアを閉めるか、フェンスを置いてほしい」(オルドレッド氏)という。ペットのえさ・水やり場にフェンスを置いて進入禁止にしたら、ペットも進入できないので、これでは意味がない。この点は、ペットを飼っている人は十分に注意してほしい。