<自治体ランキング 評価のポイント>

 認可園に入りたい人が入れているか
 ファミリーサポートセンター、シルバー人材センターなどの充実度
 病児保育に預けやすいか
 認可園の保育料が高いか安いか
 子どもが2人以上いる家庭への保育料減免があるか
 都認証保育所など認可外園に通う家庭への助成があるか
 独自の医療費助成制度があるか
 未就学児がいる世帯へのサービス・現物支給があるか
 ひとり親世帯への補助があるか
 子育て世帯の流入を歓迎しているか
 学童保育は小6まで整っているか
 子育て世帯の割合

※残念ながら以下の19市区は調査に未回答だったためランキングから除外しています。【未回答自治体/江東区、大田区、豊島区、葛飾区、武蔵野市、調布市、小金井市、国立市、羽村市、秦野市、大和市、野田市、市原市、浦安市、越谷市、所沢市、春日部市、上尾市、久喜市】

 上記の評価の結果、上位5都市にランクインした自治体の子育て施設、支援・サービスの特徴を見ていきます。

1位の静岡市、保育園や幼稚園の多くを「こども園」に

1位 静岡市 (68点)

 静岡市は0歳児申請児童数に比べて定員が多いなど、インフラ面が整っている状況でした。

 静岡市の特長は、認定こども園に力を入れていることです。今年から、市立保育園や市立幼稚園はほぼすべて、認定こども園に移行することを進めてきました。今年度だけで12園の幼稚園を認定こども園にするなど、保育体制の充実をはかっています。

 また同市の興味深い取り組みとして、育休明けなど保育所に空きがないため入所できない場合などに、入所できるまでの間、保育する施設「待機児童園」を用意しています。点数は高めで緊急性も高いのだけれど、保育所には落ちてしまった…という家庭を優先的に救う仕組みです。未就学児向けサービスでも「子育て支援ヘルパー派遣」や親の就労にかかわらず土日祝日や早朝夜間に子どもを預かる「一時保育事業」、各地区の主任児童委員が育児のアドバイスをする「子育てトーク事業」など興味深い取り組みがたくさんありました。

 また評価の点数とは関係ありませんが、静岡市は所沢市の育休退園問題が報道された影響で、育休退園にならないよう改善した自治体の一つです。

2位 北九州市 (61点)

 北九州市は4月1日時点の0歳児申請数を上回る定員を設けていました。これは年度途中での入園も見越しての余裕をもたせているとのこと。新年度でないと実質的には認可園に入れない自治体も多い中、年度途中の入園も可能な体制を整えています。全体の保育所定員や、ファミリーサポート、シルバー人材センターのサービス提供会員数などにも余裕が感じられました。

 また北九州市は授乳やおむつ替えができる施設を「赤ちゃんの駅」として登録し、子育て家庭が安心して外出できる環境づくりをする「赤ちゃんの駅登録事業」に力を入れています。2008年にスタートした事業ですが、公共施設だけでなく民間施設も扱ったのは北九州市が初だそうです。施設は利用者が分かりやすいように「赤ちゃんの駅シンボルマーク」を付けて紹介していますが、今では他自治体でも使用されているこのマークを最初にデザインしたのも同市ということです。