日経DUALは日本経済新聞と共同で、主要100自治体に子育て支援制度について調査し、81自治体から回答を得ました。保育料や保育所増設への課題などについて、調査結果を紹介します。

【調査について】
・調査名:「自治体の子育て支援制度に関する調査」
・調査対象:1都3県(東京・神奈川・埼玉・千葉)の主要地区と全国の政令指定都市計100自治体
・実施期間:2015年9月~10月
・回答数:81自治体

 調査によると、認可保育所の保育料は、同程度の所得の家庭で比較すると最大5倍近い差があることが明らかになりました。また認可保育所など自治体が主体となって管理している保育所の申請数(0歳児)におけるクラス定員の充当率(2015年4月時点の0歳児クラス定員÷0歳児クラス申請数)は全国的に見れば1.08と、申請数を上回る定員がありましたが、東京では0.2~0.3の自治体もあるなど、都市部の保育園不足の深刻さが改めて浮き彫りになりました。

認可外に通う家庭への補助 7割が「ある」

 ほとんどの自治体では、家庭の所得に基づく市区町村税所得割課税額などによって、認可保育所の保育料を決めています。この保育料の上限は、一番保育料が高い3歳未満で最高8万5700円、最低は4万2700円と2倍の開きに(平均は6万4167円)。さらに調査ではモデル家庭を想定した保育料についても聞きました。モデル家庭とは夫婦の世帯年収700万円、子ども一人の中間層家庭(市区町村税所得割課税額が25万円)です。この家庭が今年10月に入園した場合の保育料は、3歳未満で平均4万4284円。最高額は5万9900円、最小額は1万2400円と自治体によって5倍近い差があることが分かりました。

 認可園に入れなかった場合の補助についても調査しました。東京都認証保育所など自治体が補助する認可外施設に通わせている家庭に対し、認可保育所を利用した場合との差額を助成する制度があるか、という質問には71.6%の自治体が「ある」、28.4%の自治体が「ない」と回答しました。東京都港区や千代田区、荒川区など、都心の区が5万円ほど(モデル世帯の場合)を補助する一方、多くは1万円前後でした。

 子どもを二人以上同時に預ける場合、保育料の減免制度があるかという問いでは、9割以上の自治体が「ある」と回答しました。第2子が保育料半減、第3子が保育料免除という自治体が大半を占めています。東京都港区では今年度から、第2子も無料にしています。