4位港区、5位東大和市・稲城市の注目サービス・支援は?
港区の一番の特長は、認可保育所の保育料が第2子から無料なことです。これは回答のあった81自治体のなかで唯一でした。「0歳児クラス定員÷申請数」から見る保育施設充当率も1を超え、全体的な入りやすさも向上しています。同区によると待機児童数は2013年度は195人いましたが、15年度は30人と年々減少しているということです。認可保育料と認証保育所の差額補助もモデル世帯で5万円超と高額でした。
また、質問項目の一つである「保育需要のピークはいつと考えているか?」への回答は、調査自治体中で最も遅い2026年度でした。これは、港区があらゆる世代の人口増加を見込んでおり、子育て世帯やニーズも増加する見通しを立てているということです。私たち共働き子育て世帯にとっては、保育ニーズが10年後まで増加すると計画しているエリアは頼もしく、安心して働きながら子育てができそうです。
東大和市は0歳児の入りやすさ、保育施設全体の定員の余裕、ファミサポやシルバー人材の利用のしやすさなどインフラ面が高評価でした。
病児関連のサービスでは都内でも珍しい「お迎えサービス」を今年7月にスタートしました。これは保育所に預けている子どもが発熱などお迎えが必要になった場合、保護者に代わって病児保育の看護師がタクシーで迎えに行ってくれるというサービス。タクシー代は自治体が負担します。「これまで子どもが病気になった当日は、どうしても親が仕事を切り上げて保育所に迎えに行く必要がありました。しかし看護師が子どもを迎えに行き、病児保育施設で医師の診察も受けられるようにすることで、保護者の負担を軽減できるようにしました」と同市保育課は話します。
補助金の支給などもありがたいものですが、「お迎え」というDUAL世帯にとっては非常に重要で悩ましいニーズを自治体がしっかりと把握しており対応している姿勢が評価されました。
稲城市は0歳児の入りやすさ、保育施設全体の定員の余裕、ファミサポやシルバー人材の利用のしやすさなど、すべての項目で回答自治体の平均点以上の評価を得ました。
子育て家庭への特長的なサービスは、10月にスタートしたばかりの「子育て世帯の市立公園駐車場1時間無料券」です。市内数カ所の公園や併設する図書館に行くための駐車場が無料になったことで、子育て中の市民がもっと気軽に施設を利用できるようになりました。
次回は全国版ランキング(東京を除く)を紹介します。さらに今後の連載では、各指標ごとのランキング結果内容や、上記自治体以外でも積極的に共働き子育て支援をしている街についてをお伝えしていきますので、楽しみにしていてください。