前回までの記事で、公立小学校の宿題事情についてお伝えしてきました。では、中学受験を前提にした私立小学校だと状況は変わるのでしょうか? 宿題に関し学校はどんな教育方針を持っているのでしょうか? 特集第4回は、中学受験のための学力がつくと評判の私立小学校のベテラン先生を取材し、公立小学校とは違う宿題事情をお伝えします。

【共働きっ子の宿題大作戦特集】
(1) 小学校の宿題 子どもへの促しと確認どうしてる?
(2) なぜ公立小でも毎日「宿題」が出るのか?
(3) 公立小の先生に聞いた「親子の宿題こなしテク」
(4) 私立小の宿題 ほぼ全員塾通いの高学年は毎日出ない ←今回はココ
(5) 私立小教諭 低学年でも宿題の時間は子どもと決めて

中学受験へのこまやかな配慮や良質の宿題

東京都市大付属小学校
東京都市大付属小学校

 東京都世田谷区成城にある東京都市大学付属小学校は、自主的、主体的に考えて行動できる子どもの育成を行うことで知られる人気の私立小学校。子ども達が自分で学びたくなる教育プログラムを用意している。

 1956年、東急グループの創始者である五島慶太氏が開校。算数の習熟度別学習や英語学習、食育プログラムや速読プログラムなど、時代に先駆けた教育法をいち早く取り入れてきたことでも有名だ。在籍する児童はほぼ全員が中学受験し、進学実績も確か。その工夫を凝らした教育プログラムから「日本一楽しく中学受験ができる私立小学校」と呼ぶ人さえいるという。

 そんな都市大付属小学校では、どんな宿題がどんな考えに基づいて出され、また先生達は宿題をどのように活用しているのか。学校全体の教育指導を担当する立場の別府美典先生にお話を伺った。

【次ページからの内容】
・低学年の宿題内容と目的は?
・高学年の宿題は事情が変わってくる
・共働き家庭でも役だちそうな「一週間の予定表」とは?
・保護者が先生に塾選びのアドバイスの相談まで
・学年ごとに家庭学習の目安は?