今年もあと少しで年末。1年間、仕事に育児にお疲れ様でした! 
 1年間の疲れを癒やし英気を養うために、週末や休みの日に家族そろって非日常の空間へ出かけてみるのはいかがでしょう。本特集では、子どもが小さくても一緒に滞在を楽しめる国内の贅沢ホテルを、ホテル宿泊経験が豊富なジャーナリストの須賀美季さん(4歳の女の子のママ)が一挙に紹介していきます。まず第1回のプロローグでは、子どもと旅立つ前の準備やホテル選び、予約の際にぜひ知っておきたいことを、須賀さんに教えてもらいました。

(日経DUAL特選シリーズ/2015年12月収録記事を再掲載します。)

【子どもと過ごす贅沢ホテル12選特集】
第1回 プロローグ/子どもと週末旅へ!の前に知っておきたい3つのこと ←今回はココ
第2回 エンターテインメント編/非日常の仕掛け満載!子どもの笑顔が絶えない宿3選
第3回 ネイチャー編/子ども一緒で楽しさ倍増 大自然の贅沢リゾート3選
第4回 シティ編/上質な空間へ子どももウェルカム!厳選シティホテル3選 
第5回 美食編/“おいしい宿”3選 子どもと泊まるプチ贅沢な週末旅

子連れ旅行は工夫次第でストレスから解放される

 こんにちは、須賀美季です。子どもが生まれたことによって、制限してしまうことの一つに「旅行」があるとよく耳にします。実は私自身もそうでした。旅することが仕事で、プライベートでも日本中、世界中を旅し、旅先で夫と出会ったほどなのに……。子どもが生まれてからしばらくは、旅する喜びを奪われた気持ちになったりもしました。

 しかし、子どもと一緒に旅行を再開するようになって、行き先や方法を少し考慮するだけでストレスや不安のかたまりから解放されることが分かりました。いや、それどころか、子どもを連れての旅はこれまでよりずっと楽しく、新しい発見に満ち満ちていることを実感しました。日ごろ仕事と家事の両方に追われる自分を、週末にこそきちんと癒やしてあげられれば、たとえ小さな旅だって、きっと家族にとっての幸せステップにつながるはずです。

 休みの日をホテルや旅館で過ごすことは、家族の関係を親密にさせるだけでなく、子どもにもよい経験となります。人の集まるホテルでの振る舞い方、カトラリーが並ぶレストランでのテーブルマナー、温泉の入り方や、自分の持ち物管理……など、旅することは体験を通じて教えるチャンスでもあります。

 いつだったか娘のトイレトレーニング期のとき、「お泊まりだから頑張ろう」と話し、あえてオムツを持って行かないことを決めたことがありました。当時娘は、今日は特別……と自分に言い聞かせたようで、その旅行以来、きちんとトイレができるようになったという思い出があります。

 でも何より、子どもはお父さんやお母さんが“休んでいる”姿が大好きなんです。その週末だけはきちんと仕事を忘れて、子どもと一緒にふかふかのベッドに大の字になり、ホテルのプールで思い切り泳いだりと、童心に帰って宿泊体験をすることが大事だと思います。

 それでは、子どもと旅を楽しむうえで、ぜひ事前に知っておきたいポイントや工夫を3つ、お話しさせていただきます。

「ザ・リッツ・カールトン沖縄」にて。子どもを連れての旅は新しい発見の連続
「ザ・リッツ・カールトン沖縄」にて。子どもを連れての旅は新しい発見の連続