今井絵理子　「息子のために専業主婦に」と言われて

　ろう学校や盲学校には「副籍交流」というものがあります。居住する地域の小・中学校に副次的な籍（副籍）を持ち、給食を一緒に食べたり、授業や運動会などの学校行事、地域行事などに参加したりするものです。ろう学校では健聴者の子どもたちとのふれあいも少ないので、こういう交流は助かるなと思います。

親としては、やっぱり子どもが一番大事

　これまで私は、礼夢の学校に合わせて引っ越しをしてきました。最初の口話法の教室は電車で1時間かかる場所にあったので、無理なく通えるようにお引っ越し。ろう学校入学が決まったときにまたお引っ越し。親としてはやっぱり、通学時間はなるべく短くすむようにしてあげたくて。沖縄で育った私にとって、学校は家から歩いていけるところにあるものだったので、電車に乗って小学校に通うという東京の通学環境になじめなかったというのもあるのですが……。中学くらいまではなるべく学校から近いところに住みたいなと思っています。

　礼夢が通うろう学校は中学もあるので、そのまま進学することもできますが、中学も二人で色々回って決めたいなと思っています。東京に限らず、もっとエリアを広げて考えてもいいかもしれない。礼夢が行きたい学校が遠ければ、また引っ越してもいいですし。礼夢が大好きな沖縄の学校に行きたいと言ったら、それでもいい。そうなったら、私が生活を変えればいいだけ。やっぱり親としては、子どもが第一なんだな、と思うこのごろです。

（ライター／松田亜子、撮影／稲垣純也）

今井絵理子さんが「WOMAN EXPO KOBE 2015」に出演しました！！

【ダイジェスト記事「今井絵理子・山口照美『仕事』と『子育て』を語る」はこちらです。後日アップする詳報もお楽しみに！】