結婚や出産が現実の将来と結びつかない

DUAL 全国区へと早いスピードで広がっていますね。そもそも、「いまの女子大生が安心して母になれる社会をつくる」という思いを持つきっかけとは何だったのですか? なぜ今、このような活動が必要だと思われたのでしょう?

新居 きっかけとして大きかったのは、高校時代に参加していた認定NPO法人「カタリバ」の活動です。高校生が社会人や大学生と「ナナメ」の関係(一歩先をゆく“先輩”との関係)を築きながら、社会課題やキャリアプランについてディスカッションするという活動でとても勉強になり、刺激をいただきました。

 そこでいただいたアドバイスの多くが「女性が仕事で活躍し、充実したキャリア人生を築くため」のもので、キャリアで成功する価値やそのための手法については多くの情報をいただけた気がします。でも、「フツウに結婚して、フツウに子どもを育てる」というライフの面についてはほとんど情報を受け取れなくて。結婚や出産は多くの女性が描く夢だと思うのですが、その夢が現実の将来となかなか結びつかないんです。

DUAL 女性が仕事で能力を発揮するキャリアの面ばかりが強調されて、家庭での自己実現のルートが見えないと。

新居 そうです。「結婚、出産したい」という素直な気持ちを口にすることも憚られる状況になっているのかもしれません。