2015年度は、子ども・子育て支援新制度が開始され、「認可」の範囲が広がりました。そういった制度変更もふまえ、保育園は入りやすくなったのか、また、保活をする際にはどういう点に気をつけたら良いのかなど、「保育園を考える親の会」代表の普光院亜紀さんにお話を伺います。

日経DUAL編集部 2015年度の保育園整備状況について教えてください。

普光院さん(以下、敬称略) 全体の状況として、認可保育施設の入園決定率が、昨年の67.9%から今年は74.3%に上昇しました。これまでずっと70%前後で推移していたので、数字上は「少し入りやすくなった」といえます。ただそれには理由があります。2015年度から新制度が始まり、「認可」の中に、小規模保育や認定こども園、家庭的保育事業が含まれるようになりました。それで間口が広がった分、入園決定率が上がったのは自然な結果といえます。

―― 今年度、特に状況が変化した自治体はありますか?

普光院 都心や都内の山の手はあいかわらず厳しい状況です。急に悪くなった地域としては、例えば新宿区。保育園を考える親の会の調査では、2年ほど前は入園決定率が80%ほどでしたが、今年は60%に落ちました。ちょっと空いているなと思うと、人が集まってしまうんですね。江東区も、開発が進み子どもが増えているようです。デベロッパーから建設計画を聞いた時点で自治体が先手を打って、保育園を作ってくれればよいのですが、後手後手になっているようです。

―― 特に入園事情が厳しいのはどのあたりですか?

普光院 進級児も含めた利用決定率をみていくと、低いのは、杉並区や千代田区、世田谷区、港区、狛江市、武蔵野市などです。千代田区の場合、自治体は今年4月に「待機児童ゼロ」と発表しているのですが、私達の調査では、入園が決まらなかった人が400人ほどいる計算です。なぜこのようなギャップがあるかというと、自治体の数字は、認証保育所や幼稚園に行った人を除外し、育児休業を延長した人も除外し、求職中の人の就職活動の実態によっては除外し、…といった形で、対象となる人数をどんどん減らしているからです。

―― 逆に、入園決定率が高いのはどこですか?

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