3才になったとき、小規模保育から認可保育所に移れるのか

―― 0歳児のほうが1歳児よりも入りやすい場合が多いと聞きます。月齢によって入りやすさに差がある状況は、なんとかならないものでしょうか。

普光院 今年度の調査結果を見ると、たしかに、0歳児のほうが1歳児よりも入園決定率が高い傾向にあります。でも、だからといって、1月生まれの子をすぐ保育園に入れるのか、親としては複雑な気持ちですよね。しばらく自分の手元で子育てをしたいと感じる人も少なくないはずです。自分が納得いくタイミングで預けられない今の状況は、とても残念。全体の待機児童をなくすしか解決策はないですね。

―― 世帯年収は入りやすさに関係しますか?

普光院 指数が同じ点数だった場合、所得が低いほうを優先させる自治体は多いです。親の所得が低くても、子どもがちゃんとした保育が受けられるように、という子どもの福祉の観点に立った制度だからです。でも本来的には、所得に関係なく、必要な人みんなが入れるようになってほしいですよね。

―― 保育料は認可保育所のほうが安くなりますか? 地域によっても差があるのでしょうか?

普光院 最高所得階層の保育料はあまり変わらない場合もありますが、中間所得階層の保育料をみると、3歳未満児の認可の保育料は2万~3万円。認証保育所よりもだいぶ安くなっています。第2子は認可の保育料が半額になります。認可に入れないと2人目は産めないという方は多いですね。自治体によっても金額に差があります。例えば渋谷区の場合は、特に中間所得階層に優しくなっていて、3歳未満児の中間所得階層の保育料は7490円と、非常に安いです。一方、さいたま市は、5万5000円です。東京都内の平均でも3万円ほどですから、さいたま市とは約2万円も差がありますね。

―― 3才になったとき、小規模から認可に移る人と、認可外から認可に移る人の優先度はどちらが高くなるのでしょうか?

普光院 0歳~1歳までは、認可同士の移動は不利になるので、認可外の認証保育所にいたほうが認可に移りやすい。けれど小規模保育や家庭的保育に入っていれば、卒園時には、たくさんの加点がつくので、たしかに3歳のときは有利になる。でも、点数がいくらあっても、空き自体がないと話になりませんよね。また自治体によって加点のつけかたは違うので、一概には言えません。

―― これから保活する人へのアドバイスを頂けますか。

普光院 自治体などから情報収集し、少しでも空いているところに自分が引っ越すのも一つの手です。ただしマンションの建設計画には注意してください。どんなに待機児童が少なくても、園の近くに大きなマンションができると、途端に入りづらくなる場合があります。また、引っ越しまでしなくても、通勤に使いたい沿線の中で、少し選択肢を広げて、比較検討してみるとよいと思います。