保育園に通っている今は、ありがたいことにふだんは午後6時まで、そして基本的には一年中預かってくれるところがあるけれど、これ小学校に行ったらどうなるん……?

 午後1時半に学校から帰宅し、春、夏、冬と、たんまり休みがあるんやないの。近くに頼れる実家もない、朝から晩まで働き倒さねばならない夫婦に、いったいこれをどう乗り越えろって言うんだろう。

 これが世に聞く、「小1の壁」である。

わが家にまさかのサマースクール

 平日は学童だ。学童がある。じゃあ、夏休みは……1カ月通える学童も近所にないし、子どもの世話だけをして過ごすのはわたしも物理的に無理だ。生活的に無理だ。

 まだ4歳前だしできることなら先送りにしたいけれど、しかし結果的に困るのはわたしだ。っていうか、あと2年とかって、そんなんすぐやん。

 わたしは、調べに調べて、調べ倒した。わたしも働くことができ、なおかつ息子もハッピーであるような、そんな夏休みの可能性を……。

 そして辿り着いたのが、サマースクールだったのだ。

 簡潔に言うと、わりとどこでもやってる外国のスクールに入れるのである。もちろん保護者であるわたしも海外についてゆく(幸い、パソコンとネットがあればできる仕事なので)。

 4週間、息子は朝から夕方まで現地の子どもたちとサファリパークだとかスイミングだとか図工だとかしてわいわい遊び、そしてわたしは仕事をする。滞在費と学費でけっこうお金がかかるけれど、今から計画的に段取りすれば、いける範囲のあれこれだ。

 小学校の6年間はこれで乗り切るしかない。しかし、そのために息子に必須なのは、日常会話レベルの英語力。なので、習い事に英語教室を追加して、数年後に備えようとそういうわけなのだった……。

 仕方ないとはいえ、「すごいな、3歳から英語か……」なんてどきどきしてると、教室にはまだハイハイしているような赤ちゃんたちのクラスもあって、お母さまたちは至極当然、余裕の表情。意識の高さの違いが突き刺さるようだ。

 「……これこれこういうわけで、意思疎通できるようになればいいなーなんて、思っていまして」とかごにょごにょと説明しながら、わたしは妙な焦りを感じはじめていた。というのも、そこにいる息子くらいの幼児はみーんな英語をふつうに話していて、なんか……こう、出遅れている感が満載なのである。