今の小学生には毎日宿題が出される。普通の公立小学校でも1年生から毎日出るのは当たり前。これは子どもが小学校に入学して初めて分かることだ。
宿題自体の量は低学年の場合はそれほど多くなく、どんなに時間がかかっても15分程度で終わるものがほとんどだ。だが、特に低学年の場合は、宿題のマルつけやチェックは親がしなくてはならない。つまり、宿題をやるように促すこと、そしてきちんと解答しているかどうかをチェックすることは、学校から親に課せられたミッション(任務)なのだ。これから小学生になる子どもがいる人は、このことを入学前からしっかり理解して対策を話し合っておいたほうがいい。
みんな、どんな悩みを持ち、毎日の宿題にどう向き合っているのだろう。
3つの家庭のケースを順に見ていこう。
悩みは「とにかく、時間がないこと」
彰信くんがベッドに入るのは21時30分から22時の間。帰宅から就寝までに使える時間は4時間だけ。この間に、夕食、入浴、宿題、明日の学校の支度をすべて済ませなければならない。
「子どもには、私が夕食の支度をしている時間に宿題と朗読をやってほしいのですが、息子は帰宅するとすぐにテレビをつけてしまったり、漫画を読んでしまったりで、なかなかこちらの思い通りには動いてくれません」と幸子さんはため息をつく。
弘さんが早く帰宅して一緒に食卓を囲むときは、弘さんが彰信くんの隣に座り宿題をやるように促し、教科書を読ませてマルつけもしているが、そんなことができるのは週に1回くらい。いや応なく宿題を見るのは幸子さんの仕事になってしまう。
宿題の促しは「夕食前がダメなら夕食直後」
理想は夕食前。それが難しければ、夕食が終わってテーブルから皿を片付けた後、すぐにそこで宿題をするよう促している。なぜなら、お風呂から上がった後の彰信くんはとても眠そうな感じで、何とか叱咤激励して、明日の学校の支度をさせるのが精いっぱいだからだ。
学童のおかげで最近は楽になった
幸い、彰信くんが通っている児童館の学童保育は勉強の指導も積極的にしてくれる。だから、最近はマルつけだけで済む日がほとんどだという。
でも学童で友達との遊びに熱中してしまったりすると、終わっていないことも珍しくはない。そのときは帰宅直後、すぐに食卓に座らせて宿題をさせることになるべくしている。
彰信くんが2年生になって、幸子さんも弘さんも慣れてきたこと、彰信くん自身が「早く宿題をやったほうが、後が楽だ」と理解して自分から積極的にやるようになったことなどで、少しはスムーズに。ただ、毎日のことだけに、彰信くんが寝るとようやく幸子さんはホッとするという。
「僕達が子どものころは、毎日宿題なんて出なかったけれど。今からそんなに勉強させなくてもいいのでは」と弘さん。
そう思っていても、勉強は大切。学校から出ている宿題をサボらせるわけにはいかない。