「小学生の子どもの宿題が大変!」と言うと、夏休みの宿題のことだと思う人は多いはず。確かに夏休みの宿題は、小学校に上がった子どもを持つ家庭の大きな悩みです。しかし、共働き家庭にとっては、夏休みの宿題よりももっと日常的に問題があります。それは、先生から子ども達に出される毎日の宿題。特集第1回は、宿題にまつわる共働き家庭の悩みや疑問の声をご紹介します。

【共働きっ子の宿題大作戦特集】
(1) 小学校の宿題 子どもへの促しと確認どうしてる? ←今回はココ
(2) なぜ公立小でも毎日「宿題」が出るのか?
(3) 公立小の先生に聞いた「親子の宿題こなしテク」
(4) 私立小の宿題 ほぼ全員塾通いの高学年は毎日出ない
(5) 私立小教諭 低学年でも宿題の時間は子どもと決めて

 今の小学生には毎日宿題が出される。普通の公立小学校でも1年生から毎日出るのは当たり前。これは子どもが小学校に入学して初めて分かることだ。

 宿題自体の量は低学年の場合はそれほど多くなく、どんなに時間がかかっても15分程度で終わるものがほとんどだ。だが、特に低学年の場合は、宿題のマルつけやチェックは親がしなくてはならない。つまり、宿題をやるように促すこと、そしてきちんと解答しているかどうかをチェックすることは、学校から親に課せられたミッション(任務)なのだ。これから小学生になる子どもがいる人は、このことを入学前からしっかり理解して対策を話し合っておいたほうがいい。

 みんな、どんな悩みを持ち、毎日の宿題にどう向き合っているのだろう。

 3つの家庭のケースを順に見ていこう。

【ケース① 加藤家の場合】

加藤幸子さん・弘さん(仮名)……共にIT系の会社に勤める会社員。幸子さんは時短勤務中で17時30分に帰宅。弘さんは残業が多く、帰ってくるのは夜22時を過ぎる。
子どもは彰信くん(仮名)……東京都内の公立小学校2年生。学校の授業が終わると17時まで学童保育で過ごし、17時30分に一人で帰宅。
宿題の量……A4のプリント1枚と、国語の教科書の朗読。

悩みは「とにかく、時間がないこと」

 彰信くんがベッドに入るのは21時30分から22時の間。帰宅から就寝までに使える時間は4時間だけ。この間に、夕食、入浴、宿題、明日の学校の支度をすべて済ませなければならない。

 「子どもには、私が夕食の支度をしている時間に宿題と朗読をやってほしいのですが、息子は帰宅するとすぐにテレビをつけてしまったり、漫画を読んでしまったりで、なかなかこちらの思い通りには動いてくれません」と幸子さんはため息をつく。

 弘さんが早く帰宅して一緒に食卓を囲むときは、弘さんが彰信くんの隣に座り宿題をやるように促し、教科書を読ませてマルつけもしているが、そんなことができるのは週に1回くらい。いや応なく宿題を見るのは幸子さんの仕事になってしまう。

宿題の促しは「夕食前がダメなら夕食直後」

 理想は夕食前。それが難しければ、夕食が終わってテーブルから皿を片付けた後、すぐにそこで宿題をするよう促している。なぜなら、お風呂から上がった後の彰信くんはとても眠そうな感じで、何とか叱咤激励して、明日の学校の支度をさせるのが精いっぱいだからだ。

学童のおかげで最近は楽になった

 幸い、彰信くんが通っている児童館の学童保育は勉強の指導も積極的にしてくれる。だから、最近はマルつけだけで済む日がほとんどだという。

 でも学童で友達との遊びに熱中してしまったりすると、終わっていないことも珍しくはない。そのときは帰宅直後、すぐに食卓に座らせて宿題をさせることになるべくしている。

 彰信くんが2年生になって、幸子さんも弘さんも慣れてきたこと、彰信くん自身が「早く宿題をやったほうが、後が楽だ」と理解して自分から積極的にやるようになったことなどで、少しはスムーズに。ただ、毎日のことだけに、彰信くんが寝るとようやく幸子さんはホッとするという。

 「僕達が子どものころは、毎日宿題なんて出なかったけれど。今からそんなに勉強させなくてもいいのでは」と弘さん。

 そう思っていても、勉強は大切。学校から出ている宿題をサボらせるわけにはいかない。