宿題と親がどう関わればいいのかよく分からなかった
岳史さんは最初、宿題と親がどう関わればいいのかよく分からなくて戸惑ったという。
「そもそも、プリントには『親がマルをつけてください。親の義務です』とは書いてない。そこで、お友達はどうしているのか、子どもに聞いてみるとマルつけがしてある子と、してない子がいるという。結花の保育園時代のお友達のお母さんに電話して聞いてみても『先生がやってくれる』『親がすべてやる』となど、学校によってやり方は色々。連絡帳で担任の先生に聞こうかと思いましたが、宿題を見ることで、親だと普通は分からない子どもの理解度、到達度が分かる、どのくらい勉強を理解しているかもだいたい分かる。そこで、ウチではつけることにしました」
「テレビは宿題が終わってから」がルール
岳史さんは保育園から17時30分に戻ると、一足先に帰宅した結花ちゃんにすぐに宿題をやるよう促している。「宿題が終わるまではテレビのリモコンを渡さないようにしていますが、娘は一人でいる間にテレビを見ていることも。毎日、結構叱りながら、宿題をやらせています。ちょっと厳し過ぎるかな、とは思うんです。でも夕食後だともうウトウトして、お風呂に入れるのが精いっぱい。学校の先生にも言われましたが、1年生にとって、学校の一日はかなりハードのようで、宿題ができる元気があるのは夕食前なんです」と岳史さんは話す。
明子さんが会社から帰ってきたら結花ちゃんが泣いているのを見て、「やり過ぎじゃない?」と岳史さんたしなめたこともあったとか。
「授業でやった内容しか出ないそうで、ちゃんと理解しているときはすぐに終わります。でも間違っていることもあります。そのときは、どこが間違っているのかをしっかり見て直させる。つい力が入ってしまうんです」(岳史さん)
「宿題を多く出す」のはいい先生?
他の保護者は宿題についてどう考えているのだろうか?
気になった明子さんは、わざわざ有給休暇を取って出席した学校の保護者会で、他のお母さん達にさりげなく「宿題はどうしてますか?」と聞いてみたという。
「共働きのお母さんは、うちと同じように『時間のやりくりが大変』という意見。でもビックリしたのは『宿題をたくさん出すのは、勉強熱心でいい先生。ウチのクラスでももっと』というお母さんが、同じクラスに何人もいたこと。うちは正直、これ以上はちょっと無理ですね」
結花ちゃんはまだ習い事に通っていないが、2つやっていた通信教育を1つに減らした。
「習い事をしている子はもっと大変では。あまり多い宿題も問題だと思います」と明子さんは言う。