よその子、同僚 「比べてしまう」気持ちと向き合う
妬む気持ちは否定せずに「前向き変換」でパワーに変えてしまおう!
「前向き変換」で、妬みをパワーに変える
感情の勢いを緩めたところで手をつけたいのが、「前向き変換」です。
そもそも比較する感情は、「行動を起こす」ためのエネルギーとして発動されています。誰かのことを「羨ましい」と思う気持ちを、前向きなパワーに変え、行動につなげてしまえばいいのです。例えばこんなふうにノートで気持ちを整理してみましょう。
比較する気持ちを認め、行動するパワーに変える 前向き変換ワーク
①気持ち(○○さんはいいな、○○さんは羨ましい、など浮かんだ感情を書く)
息子のクラスメートのAくんは優等生でいいな。
そのママも子育てがラクだろうから羨ましいな。
②どうしてそう思った?(気持ちを認めて淡々と項目を挙げていく)
Aくんはママにも笑顔を向けていて、何でも話してるみたい。
授業参観でも、手を挙げてハキハキ発言していた。
それに比べて息子は落ち着きがなく、手も全く挙げない。
③自分はこの感情で、何を欲している?(こうなりたい、という自分の本心と向き合ってみる)
私にももっと笑顔を向けてほしいし、何でも話してほしい。
このまま思春期になって全く会話がなくなるのは寂しい。
授業参観のとき、他のお母さん達に対して恥ずかしかった。
忙しくてあまり息子と関わることができていないから、息子は落ち着きがないのかな。
④前向き変換(自分ができることを探す。自分が安心できる考え方に落とし込む)
次の週末は、息子と2人きりの時間をつくってみよう。
できないことばかり見つけて叱らずに、褒めるところを探してみよう。
最近のイライラは疲れているせいかも。今晩はたっぷり寝るぞ!
実際にこうやって書き出してみると、もやもやと頭の中だけで考えているときよりも、自分の思いに気づくことができたり、すぐにでも改善できそうなことが見つかったりするものです。
この方法のいいところは、自分にできそうなことを見つけることによって、自分の価値を高めていくことができることにあります。比較対象と比べてばかりでは、どんどん自分の価値は下がるばかりですが、自分の価値を高くしていくことによって比較対象とのギャップが縮まると、「比べる」「妬む」といった感情の勢いを弱めることができるのです。
(取材・構成・イラスト/柳本 操)