首都圏の中学受験では、国語・算数・理科・社会の4科入試が主流になっています。しかし、大手受験塾のカリキュラムでは、国語と算数に比べて理科と社会の授業数が少ないことや、各校の入試が国語と算数が100点満点に対し、理科と社会は50~80点満点。試験時間も国語と算数は通常50~60分のところ、理科と社会は約30~40分と短いため、理科と社会はそれほど重要な科目ではないと思われがちです。

そこで、つい理科と社会の勉強を後回しにしてしまうご家庭が多いようですが、中学受験の理科と社会の出題範囲は膨大です。「暗記で何とかなるだろう」という考えでは危険です。

では、中学受験の理科と社会は、どのように学習をしていけばよいのでしょうか? 今回は中学受験の「理科」にスポットを当て、受験理科のプロである辻義夫先生(中学受験専門個別指導教室SS-1)に、中学受験における理科の位置付けや学習方法、最近の入試傾向などを聞いてみました。

中堅校の理科入試では「正解率85%」を狙う

SS-1の辻義夫先生
SS-1の辻義夫先生

 開口一番、辻先生は次のように話します。

 「確かに中学受験において、理科は国語や算数の主要2科目と比べると、重要度は低く思えるかもしれません。なぜなら、中学受験では、国語と算数が飛び抜けてできていれば合格は可能ですが、理科だけが飛び抜けてできていても、国語と算数ができていなければ合格は難しいからです」

 それは、どういうことなのでしょうか?

 「中学受験の理科入試は高得点の勝負になりがちです。例えば、男子御三家の中では、実は開成中学の理科が一番易しいと言われていますが、70点満点中60点取れていないと合格は難しいでしょう。つまり、中学受験における理科入試は、いかに高得点を取れるかがポイントで、理科だけが特別できて合格することはないけれど、理科で落ちることはあるということなのです

 中学受験の理科入試には、どのような問題が出題されるのでしょうか?

 「受験する学校にもよりますが、一般的には生物・物理・化学・地学の4分野が満遍なく出題されます。偏差値50以下(四谷大塚による)の学校の入試問題であれば、知識があれば何とか解けますが、難関校の入試問題では、その知識を基にした思考力を問われるので、暗記だけではとても太刀打ちできません」

 「また、女子御三家の桜蔭などは思考力を問う問題が出されるわけではありませんが、試験時間の30分間に問題を40~60問も解かなければならないため、相当の知識とスピードが求められます」

 「偏差値50~60の中堅校においては、知識のみを問う問題が出る学校と、思考力を問う問題も出る学校の二通りがありますが、全体的に見ると比較的簡単な問題が多く、高得点での勝負になっています。中堅校を狙うのであれば、正解率85%は目指したいものです」

 では、次のページから、首都圏人気校の2015年度における理科入試の特徴について具体的に解説していきます。

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